安倍晋三総理はじめ閣僚の靖国神社への15日の参拝は見送られることになりそうだが、浄土真宗本願寺派総長ら真宗10派で構成する真宗教団連合が総理や閣僚らに靖国神社への公式参拝をしないよう13日までに要請した。
要請の根拠は「国家を代表する首相、閣僚が公式参拝することは、憲法に定められた『信教の自由』『政教分離』の精神に背く行為であることは明確で、容認できることではない」としている。
要請文では「靖国神社は国難に殉じた戦没者を英霊として顕彰し、祀る神社として創設され、先の大戦まで戦争遂行の精神的支柱として国家神道体制の中心的役割を担ってきたことは歴史的事実。同時に、戦争で犠牲になられた方を特定の基準で選別し、故人の宗教や遺族の意志に関わらず、強制的に『神』として合祀する極めて特異な一宗教施設」と指摘。
そのうえで「歴史的に見ても、合祀のあり方からも、靖国神社が今なお『我が国における戦没者追悼の中心的施設である』という主張には無理がある」としている。
また「先の大戦の反省に立ち、国際平和を誠実に希求し、基本的人権の尊重を謳った日本国憲法では個人の信教の自由を保障するとともに、政教分離の原則を明確に打ち立て、国家に対し『宗教的中立性を要求』し、『特定の宗教と国家とが直接結びつくことを禁止』している」。「現憲法立憲の精神に照らし、靖国神社公式参拝のもつ問題性を十分に認識されるよう」にと強く求めている。政教分離の遵守は明確に守られなければならない。
靖国神社については、昭和天皇はA級戦犯合祀に不快感を示され、実際、合祀以来、参拝されていなかった。先の天皇も踏襲。現天皇も参拝されていない。共同通信は13日、昨年、靖国神社が創立150周年に合わせ、参拝(行幸請願)を宮内庁に行って、断られていたことが分かったと報じた。(編集担当:森高龍二)