英語民間試験導入延期で文科相、受験生らに陳謝

2019年11月05日 08:39

 萩生田光一文部科学大臣は4日までに、大学入学共通テスト「英語」の民間試験導入延期に関し受験生や保護者に向け、メッセージを発表した。この中で「新学習指導要領が適用される2014年度に実施する試験から導入することとし、今後1年を目途に検討し、結論を出す」と伝えた。

英語の民間試験導入を巡っては公平・公正を含め課題が浮き彫りになってきている。居住地や経済的な家庭環境のみでなく、試験業者自らが問題集をつくり、対策講座を開講するなど民間試験導入に伴う入試の利権化も指摘されている。

 萩生田大臣は受験生らへのメッセージで「英語民間試験に向けて、今日まで熱心に勉強に取り組んでいる高校生も多いと思う」としたうえで「今回の決定でそうした皆様との約束を果たせなくなってしまったことを大変申し訳なく思う」と陳謝した。

 また「大変残念ですが、英語教育充実のために導入を予定してきた英語民間試験を経済的な状況や居住している地域にかかわらず、等しく安心して受けられるようにするためには更なる時間が必要と判断するに至った」と制度導入体制の不備を認めた。

 そのうえで萩生田大臣は「グローバル化が進展する中、英語によるコミュニケーション能力を身につけることは大変重要。皆様には、これからも日々の授業を大切にするとともに、目標に向かって努力を積み重ねて頂きたい」と結んでいる。(編集担当:森高龍二)