試験会場が都市部に偏り地方学生の負担が増えるほか、受験料が高いなど経済格差、地域格差に加え、スピーキングテストの採点基準のあいまいさなど多くの課題や問題が指摘されていた大学入学共通テスト「英語」の民間試験導入について、萩生田光一文部科学大臣は1日、来年度からの実施を延期すると発表した。2024年度からの実施をめざし課題の検討を行う。
菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で「経済的な状況や居住している地域に関わらず、等しく安心して受験できるような配慮が十分に整っていない、と文科大臣が判断されたと承知している。英語4技能(読む、書く・話す・聞く)の評価については新しい学習指導要領で初めての実施となる令和6年度の大学入試に向けて文科大臣の下で(検討が)進められると承知している」と語った。
菅官房長官は文科大臣の『身の丈発言』が延期判断に影響したのか、また発言に対する受け止めをと記者団に問われ「文科大臣は説明不足な発言があったとしてお詫びし、撤回していると承知している。今回の延期はこれまでの準備状況を踏まえて、自信をもって受験生にお勧めできないと文科大臣が判断したもの。丁寧な説明とともに、今後の英語の評価のあり方をしっかり検討していただきたい」とした。
菅官房長官は「文科省で今回の判断をしなければならなかった要因を十分に検証しつつ、大学入試における英語の評価をどのようにしていくのか、検討していくと聞いている」と述べた。(編集担当:森高龍二)