大学入試共通試験で英語の民間試験導入に対する懸念や問題が次々明らかになる中で、民間試験導入を巡り、「身の丈」発言をし、大臣としての資質が問われている萩生田光一文部科学大臣は29日「身の丈」発言を撤回、改めて陳謝した。
発言撤回に対して立憲民主党の安住淳国対委員長は「撤回では済まない。このままいけば高校生が不安のまま、制度が来年4月から始まる。とりあえず(導入は)中止したほうが良い。今の方がずっと公平だ」と制度導入の中止を強調した。また大手業者ベネッセを国会に参考人招致するよう求めていく考えを示した。
安住国対委員長は「うがった見方をすれば、何か、そういう業者と結託した一部の政治家が、こういうことをやっているんじゃないかと疑われるかもしれない」とも苦言を呈した。実際「入試の利権化」を疑う声もある。
一方、菅義偉官房長官は29日の記者会見で、文部科学省が導入に固執するのには官邸の意向があるからか、との記者団の問いに「(官邸の影響は)まったくない」と断言した。
記者団は識者意見として「官僚は問題をわかっているはずなのに、官邸レベルで意思決定がなされ(導入を)やるとの枠がはめられ、やらざるを得ないのだろうとの指摘もあるが、導入に官邸が影響しているのか」と質問した。
また民間試験導入には課題が多いとして野党が民間試験導入に対し「導入延期法案」を提出していることへの受け止めについて「文部科学大臣の所管なので、文科大臣が判断する」とした。(編集担当:森高龍二)