若者の選挙観。「政策がわかりにくい」。「ネット投票などを増やすべき」

2019年12月19日 07:02

画・若者の選挙感。「政策がわかりにくい」。「ネット投票などを増やすべき」。

パンタグラフが中高生の選挙に対する意識調査を実施。「若者は、投票しなくても政治に影響がない」76%

 2016年の参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた。この時の10代の投票率は45.5%であったが、19年7月の参院選では31.3%と3人に1人を下回った。全体の投票率が48.8%であったので、やはり10代の若者は選挙への関心が薄いと言える。

 10代の選挙に関する意識に関して、受験生応援サイト「受験のミカタ」を運営するマーケティング業のパンタグラフがサイトの利用者である中高生283名を対象に「中高生の選挙に対する意識調査」を実施、5日にその集計結果を公表している。

 調査結果によれば「選挙に行くきっかけは何か」と複数回答で聞いたところ、「自分の一票を疎かにしてはいけないと感じたから」が半数近くで最も多く、次いで「両親・兄弟が投票に行っていたから」、「学校で選挙に関する話を聞き、興味をもったから」と続き、この3つの回答者数が50ポイントを超え多くなっている。10代での選挙に行く動機には周りの環境からの影響が大きいようだ。ちなみに「学校で選挙の話を聞いたか」という質問に対しては約8割が「はい」と回答している。

 逆に「若者が選挙に行かない理由は何だと思うか」と複数回答で聞いた結果では、「若者は、投票しなくても政治に影響がないと考えている」が76%と約8割で最も多く、次いで「面倒くさいから」も多く、この2つが150ポイントを超えている。その他「若者向けよりも高齢者向けの政策が目立つ」、「政策の違いが分かりにくい」、「国会議員に良い印象がないから」などが続いている。

 では、「若者が選挙に行きやすくなるためにはどうしたらいいか」という質問を複数回答でしたところ、「政策を分かりやすく比較できるものにする」が60%で最も多く、次いで「インターネット投票など、もっと手軽に投票できるシステムが必要だ」も60%近くで多くなっており、これに「若者向けの政策(給食の無償化や待機児童解消を目指す政策など)を増やす」が続いている。具体的には「国が主導して選挙システムや政策について若者向けに簡単に説明するべきだ」という意見が多いようだ。

 この調査結果からは「1票を疎かにしたくない」と考えている一方で、政治システムや政策が複雑で「分かりにくい」ため関心が薄れ選挙に参加する動機が低くなっているようである。(編集担当:久保田雄城)