黒川氏と賭け麻雀の社員 朝日新聞は停職処分

2020年05月31日 08:25

 東京高検の黒川弘務前検事長や産経新聞記者らと3年前から月に2~3回、金銭を賭けてマージャン(麻雀)をしていたと社内調査で認めていた朝日新聞の社員(元記者)について、朝日新聞は29日付けで、この社員を「停職1か月」の懲戒処分にしたと報じた。

 人事院規則では賭博を常習していた公務員は「停職」の懲戒処分になるはずだが、黒川前検事長は、なぜか、懲戒処分ではなく、退職金にも影響しない内規による「訓告」の軽い処分に留まった。

その点で、朝日新聞が当該社員を停職の期間は別として「停職」にしたことには、社会的に一定の理解は得られそう。朝日新聞は管理責任のある執行役員をけん責にしたことも公表した。

 朝日新聞は「定年延長や検察庁法改正案が国会などで問題となっており、渦中の人物(黒川氏)と賭けマージャンをする行為は報道の独立性や公正性に疑念を抱かせるものだった」と自戒。当該社員が黒川氏の定年延長や検察庁法改正案などの取材や報道には関わっていないと説明。また、当該社員と黒川氏ら4人が弁護士らから「常習賭博罪」の容疑で東京地検に告発されていることも伝えている。

 朝日新聞は中村史郎執行役員編集担当兼ゼネラルマネージャーの話として「報道倫理が問われる重い問題と受け止めており、取材先との距離の取り方などについて整理し、改めてご報告いたします」と報じた。(編集担当:森高龍二)