トヨタ自動車は、中国における燃料電池車(FCV)開発を進めるべく、トヨタを含めた6社が新会社「連合燃料電池システム研究開発有限会社」の設立に向け、合弁契約を締結したと発表した。
業務内容は、中国におけるゼロエミッション商用車用の燃料電池システムの開発に取り組む。トヨタ、億華通を筆頭に各社が出資し、董事長には董長征、総経理には秋田隆が就任予定です。2020年中に北京市内での設立を目指す。つまり、トヨタが開発を強化しているFCVについて、中国政府は次世代環境車として関心を強めており、現地で普及させるため、開発を加速するということ。
FCトラックをめぐっては、ホンダが1月にFCトラックをいすゞ自動車と共同開発すると発表。4月には独ダイムラーとボルボもFCトラックを開発・量産する合弁会社を設立すると発表するなど、グローバルな提携が相次いでいる。
今回の発表によれば、中国では2016年に公表された「中国国家省エネ車及び新エネ車ロードマップ」に基づき、世界的にも類を見ないスピードで商用車を中心にFCV市場が拡大しつつあるという。この変化の激しい中国市場においてFCVを普及、定着させるには個社で取り組むのではなく、従来にないオープンな体制で、業界を挙げてFCV普及の基盤づくりに取り組むことが不可欠との考えのもと、6社連合で研究開発会社を設立するになったという。
協働する6社は以下のとおり。中国第一汽車股份有限公司、東風汽車集団有限公司、広州汽車集団股份有限公司、北京汽車集団有限公司、北京億華通科技股份有限公司、トヨタ自動車。
合弁会社では、商用車開発ノウハウや市場経験が豊かな中国を代表する完成車メーカーと、FCシステム開発の経験、市場での実績がある億華通とトヨタが、FCV普及に向けたパートナーとして手を組むことで、競争力があり、中国における各種規制にも適合した燃料電池システムを開発することが可能となるとしている。
具体的には、6社協議で商品を企画し、中国で要求される性能を持った「FCスタックなどのコンポーネント」「FCシステム制御」、そして「車載」までの一連の技術開発を行なう。これにより、開発から製品化までのリードタイムを大幅短縮し、中国の商用車市場におけるFCV普及を各段にスピードアップさせることができるという。FCV普及に不可欠な動力性能・燃費・耐久性など商品力に優れ、低コストで競争力ある燃料電池システムおよび主要コンポーネントの開発に挑む。
新会社は、中国における水素社会の実現に向けたFCVの普及に努め、またそれらを進化・発展させることにより、CO2排出量の削減、大気汚染の低減などの環境問題解決に貢献し、中国のよりよいモビリティ社会構築に向け、取り組んでいくとしている。(編集担当:吉田恒)