レクサス、最上級サルーン「LS」を2017年以来のマイチェン、ニューモデル公開

2020年07月09日 07:24

2020.06.30

ブレードスキャン・アダプティブハイビームシステム(AHS)を採用した新型レクサスLS、運動性能も大きくアップ

 レクサスがマイナーチェンジした新型「LS」を世界初公開した。日本での発売は、2020年初冬を予定するとしている。

 LSは、1989年に米国で発売され、日本ではトヨタブランドの最高級セダン、セルシオとして発売したモデルだ。その圧倒的な静粛性と快適性への高さは、その後のレクサスの礎を築いたといえる。豊田章男Chief Branding Officer/Master Driver曰く、歴代LSは「常にイノベーションの精神を貫き、その時代に新たな技術や価値を提供することで変革を起こすクルマ」だと位置付ける。2017年にフルモデルチェンジした現行の5代目は、斬新なクーペシルエットやエモーショナルな走りを実現、大きな変革を果たした。

 今回発表の新型LSは、最新の高度運転支援技術「Lexus Teammate」を採用。乗員に安心感を与える運転支援を実現する上で必要不可欠な車両の高い基本性能を徹底的に磨き上げ、同時にディープラーニングを中心としたAI技術も取り入れ、運転中に遭遇しうるさまざまな状況を予測し、対応することを支援する。複雑な道路状況下でも安全性と優れた走行安定性を実現。人の感性に寄り添った安全/安心な移動体験の提供を目指している。

 エクステリアでは、新しい塗装技術によって深い陰影とハイライトを実現した新規外板色の「銀影(ぎんえい)ラスター」を設定。インテリアはタッチディスプレイの採用による操作性向上に加え、西陣織と箔など日本の伝統工芸とのコラボレーションにより、細部に至るまでこだわりフラッグシップにふさわしい上質な室内空間を目指した。

 ハイブリッド仕様車のLS500hは、使用頻度の多い走行領域における加速の際のバッテリーアシスト量を増加させ、より余裕のある加速を実現。加えて発進加速の際にエンジン回転数を低下させ、静粛性の向上も実現した。

 ガソリン車のLS500では使用頻度の多い走行領域でのエンジントルクの立ち上がりを向上させ、車両の加速レスポンスを向上させている。また、ハイブリッド車、ガソリン車ともにANC/ESEのチューニングを変更し静粛性を向上させた。

 2019年8月にマイナーチェンジしたレクサスRXで世界初採用したブレードスキャン・アダプティブハイビームシステム(AHS)も採用。光源であるLEDからの光を高速で回転するブレードミラーに照射。ブレードミラーに反射した光が、レンズを介して高速移動しながら前方を照らす新機構。残像効果で光は動いているように見えないが、ブレードミラーの回転に同期させて、LEDの光を適切なタイミングで点灯/消灯することで、配光を細かく制御することができる。これにより、従来のAHSより細かい遮光が可能となり、ハイビームの照射範囲を広げることで対向車や先行車を眩惑することなく早く歩行者や標識を認識することが可能だ。また、デジタルインナーミラーに高解像度でより大きなディスプレイを採用し、後方の視認性を向上した。(編集担当:吉田恒)