衆院解散・総選挙が10月25日投開票で実施される可能性がある。1%でも可能性がある限り、自公政権に代わる選択肢を野党は国民に示すべき。中道・革新系野党は「小選挙区」で自公候補とタイに戦える態勢を、国民のために整えよ。
党の合流を併行させながらも、急ぐべきは選挙態勢を整えること。逆算して一刻の猶予もないことを各党党首は自覚し、リーダーシップを発揮し、党内をまとめ、英断を下す責任がある。
現況、対露(北方領土問題)、対中(台湾の1国2制度の事実上の崩壊問題)、対北(拉致問題)は行き詰まり浮き彫りの外交。内政では総理自らの秘書を選挙戦に送り込み、党費1億5000万円をつぎ込んで当選させた河井案里参院議員と夫・克行前法相(衆院議員)の公選法違反(買収)での起訴、桜を見る会・前夜祭の総理自身にかかる疑惑、東京高検検事長延命策失敗、山口と秋田へのイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)計画頓挫、などなど、直近の内政・外交を見てプラス要因はない。
こうした状況だからこそ、内閣改造でイメージ刷新を図り、これまでの戦略同様「抽象的な響きよいスローガン」を掲げ、解散総選挙に打って出る可能性がある。
この状況で政権交代を狙えない野党は、万年野党に成り下がる可能性が高い。立憲民主を軸に「野党連合政権」に向け早急に動くことが、政権交代可能な政党をつくること以上に重要だ。
小選挙区は「1」か「0」。「1」を得るには立憲、国民、社民、社会保障を立て直す国民会議で一塊になっても厳しい。共産が加わる必要がある。「党のために党があるのではない、国民のための政策実現のために党はある」。その原点に立ち、政策実現手段を唯一の意志として、共有し、候補を1人に絞り、一塊となって戦うことが必要だ。
野党連合政権実現には課題もある。国民民主党の前原誠司議員グループがネックになる。前原氏らは安保法制の際、小池百合子都知事率いた政党に同調する考えの人達であり、日本維新の会と勉強会をするグループ。共産が妥協を重ねても、一体として戦うことはできない。玉木雄一郎代表には前原グループの離党も覚悟で、政権樹立に腹をくくっていただきたい。
野党連合政権実現へ共産党が大きく譲ったことで、連合政権としてわかりやすい政策を国民に示すことが可能だ。
共産が大きく譲ったものは、自衛隊、日米安保、天皇制、社会主義・共産主義の4点。連合政権では自衛隊は『合憲』。集団的自衛権行使は『安倍内閣・閣議決定前の解釈』に戻す。日米安保は閣議決定での憲法解釈変更により行われた安保法制部分を憲法解釈変更前に戻して対応。天皇制は『憲法の条項と精神を順守する立場で対応』。社会主義・共産主義は『連合政権では資本主義の枠内での改革にとどまることはいうまでもない』と国民の前に公にし、断言している。
連合政権に共産が加わることに懸念する中道系もこの点の明示で支持者らに理解を得られよう。「1」か「0」。「1」を得るために野党党首は党内を取りまとめ、自公政権に対抗する連合政権の選択肢を国民の前に実現し、9月までに候補の1本化に全力で当たれ。政権批判に終わらず、政権を取るための英断・団結を図ることこそ、現行の野党の責任。全国で具体化していけば、自然と期待は生まれるだろう。動け、各党首。選挙は東京のみでやるのではない、全国でやるのだ。(編集担当:森高龍二)