積水ハウス〈1928〉の住生活研究所が2020年5月に実施したコロナ禍における生活実態についての緊急アンケート調査「在宅中の家での過ごし方調査」によると、在宅勤務中の人のうち、86.4%が今後も在宅勤務を希望し、家族とのコミュニケーションが増えた(39.8%)とする一方で、運動不足になった(37.5%)、自分の自由な時間が減る(19.3%)などの課題も浮き彫りになった。
同研究所ではこの結果を「STAY HOMEわが家を幸せにする5つのTIPS(コツ)」としてまとめており、積水ハウスではこれを受けて8月4日、戸建住宅の新たなモデルとして発表した「ファミリー スイート おうちプレミアム」の中に「在宅ワーク」「おうちでフィットネス」「うちdeバル」「おいしい365日」「かぞくの眠り」の5つを盛り込み、アフターコロナの新しいライフスタイルとして提案している。
「ファミリー スイート おうちプレミアム」は、同社が展開している人気のコンセプト「ファミリー スイート」の進化版だ。ファミリー スイートの最大のウリでもある「仕切りのない大空間リビング」をさらに発展させ、家じゅうを大空間とし、自由にカスタマイズできるのが特長だ。
1階は梁型が出ない高強度梁で最大スパン7mの柱や壁で遮られることのない大空間リビングが可能な特許出願中の新技術「新ダイナミックビーム」、2階は最大スパン10mの対応が可能な「ダイナミックルーフ」など、同社の最新技術がふんだんに用いられている。さらには1階に2.47m、2.7mの天井高まで達する、最大幅5mの高断熱サッシを新たに採用することで、内と外の連続性のあるつながりを演出。それに加えて、先進技術により、高い耐震性とネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)にも対応可能な高い断熱性も備えている。
コロナ禍で在宅時間が多くなる中、開放的な空間は家族のストレスも軽減してくれるだろう。
住生活研究所所長の河崎由美子氏も、「当研究所がこれまで取り組んできた『おうち時間の充実』が、アフターコロナの社会的ニーズに合致した」と話しているが、これからのアフターコロナにおいては、家はくつろぎや休息の空間であるとともに、在宅時間がいかに充実できるかも大きなポイントとなるだろう。
同社では、例えば「在宅ワーク」においては、仕事だけでなく家事や育児、休憩などのプライベートが混ざり合う「ライフワークミックス」を念頭にした空間づくりのアイデアとして、ワークスペースを複数個所に用意したり、オンオフの切り替えがしやすいように、リラックスできる空間をワークスペースの近くに作るなどのレイアウトを提案している。
また、広々とした大空間なら、自宅で運動不足の解消も可能だ。同社では「おうちでフィットネス」を提唱し、オリジナルのフィットネスアプリも提供するという。さらに、コロナ禍で流行している「宅飲み」や「オンライン飲み会」の雰囲気を盛り上げる「うちdeバル」も面白い。バーカウンターを設置することで非日常を演出するなどの提案は、趣味の時間をワンランク引き上げてくれるのではないだろうか。
今回の「ファミリー スイート おうちプレミアム」は、従来の住宅とは大きく異なり、大きな家具などで緩やかに空間を仕切るなど、ライフスタイルの変化に合わせて使い方を変更したりできる自由度の高さが大きな特徴だ。商品開発部デザインディレクターの中原潤平氏も「アフターコロナで在宅時間の多い方に、ぜひ自分たちらしい暮らし方を描いていただきたい」と語っているが、同社では併せて、オンライン上で簡単に間取り図を作成したり、VRの作成も依頼できる新サービスのWEBツール「おうちで幸せプランニング」も発表。パズル感覚でパーツや家具などを配置したり、360度のVR空間で、展示場に足を運ばなくてもリアルな間取りを体験できるという。
新型コロナをはじめ、豪雨災害など、今年は暮らしを脅かすような出来事ばかりが続いている。しかもこの先、アフターコロナでも以前のような生活は、しばらくの間は望めないだろう。しかし、下を向いてばかりではいられない。家で過ごす時間が多くなるからこそ、その空間を自分たちらしく描いて、明るく楽しく、幸せに暮らしたいものだ。(編集担当:藤原伊織)