昨年夏の参院選挙で地元広島県の自治体議会議員や首長ら100人を超える人物に金を渡し、票の取りまとめや投票を依頼したとして公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕、起訴されている河井克行被告(衆院議員、前法相)と妻の案里被告(参院議員)=いずれも元自民党議員=について、日本共産党は機関誌赤旗で、26日、参院選挙時に「(河井被告に対し)官邸主導で全面バックアップしてきた。党本部からの金(1億5000万円)が買収資金の原資に充てられた疑惑が深まっている」として「裁判での解明とともに、首相らに説明責任を果たさせることが重要」と主張した。
河井夫妻らが買収に配った金は約2900万円とされ、現金を渡される際に「安倍さん(総理、自民総裁)から」と河井氏が言ったという自治体議会議員の証言もある。
日本共産党は「党本部から資金が入金された前後には克行被告が官邸で複数回、首相と単独で面会したことも明らかになっています。公選法は買収目的と知って資金を提供すれば、提供した側も買収目的交付罪にあたるとされています。首相がどのようにかかわっていたのか、説明責任を免れることはできません」と指摘。
「法相経験者が買収で逮捕・起訴されたのは前代未聞。口先だけで『任命責任』を言うだけでは済まされません。安倍首相は大規模買収事件の真相について、国民の前で説明すべきです」と総理に説明責任を果たすよう訴えている。(編集担当:森高龍二)