次期総理ポストが濃厚になっている自民党の菅義偉官房長官は10日のテレビ東京番組に出演し「行政改革を徹底したうえで、消費税は引き上げざるを得ない」と人口減少と高齢化社会を背景に現行の10%から、さらに引き上げる必要があるとの考えを示した。
消費税は物品税などの廃止とともに1989年に「3%」でスタート。社会保障と少子化対策に使われているが、少子高齢化社会で高齢者増に伴い社会保障費が自然増を続けている。安定的な財源確保を理由に消費税率は「10%」にまで引きあがってきた。
一方で、安倍晋三総理は「世界で一番企業が活躍しやすい環境づくり」や「日本企業の国際競争力」を掲げ、法人税率を大幅に引き下げてきた。
日本共産党の地域新聞(近畿民報)が昨年3月掲載した資料によると、消費税導入時の1989年度~2018年度までの消費税収累計額は「約372兆円」になっているが、法人税・法人住民税・法人事業税の3税の1989年度を基準値に同年度~2018年度までの税減収累計額をみると「約291兆円」にのぼっていた。消費税収の78%が法人税減収の穴埋めに消えた実態がある。
日本経済団体連合会の要請を受けて法人税を引き下げてきた法人税の在り方を見直す必要が出ている。(編集担当:森高龍二)