フロントがバー? 世界でも人気の、遊び心満載のホテル。モクシー大阪新梅田が開業

2020年09月12日 06:25

モクシー3

9月1日、JR福島駅近くにオープンした「モクシー大阪新梅田」。マリオット・インターナショナルと積水ハウスが仕掛ける、遊び心あふれるホテル

 長引くコロナ禍の影響で、旅行関連業界が軒並み大きな打撃を受けている。この状況を打開すべく、日本では国土交通省が7月22日に「Go To トラベル」キャンペーンを開始。大きな話題を呼んだ。開始から一ヶ月が経ち、赤羽一嘉大臣が発表した速報値では、7月27日から8月20日までの期間で延べ利用者数が約420万人に上っている。また、8月末時点で参加登録している宿泊事業者は全体の49%、旅行業者は58%となることも報告され、キャンペーンは概ね順調のようだ。

 9月1日、大阪福島に新しいホテルが開業した。食いだおれの街・大阪の中でも屈指のグルメスポットとして人気のJR福島駅から徒歩5分。大阪市内はもとより、京都や奈良、神戸など周辺府県への観光も至便な絶好のロケーションにオープンしたのは、マリオット・インターナショナルと積水ハウス〈1928〉が仕掛ける、日本で3軒目のモクシーブランドホテル「モクシー大阪新梅田」だ。

 モクシーブランドは、「ザ・リッツ・カールトン」など、マリオット・インターナショナルの高級ラグジュアリーホテル路線とは異なり、「楽しさ」や「遊び心」がテーマになっている。今回オープンした「モクシー大阪新梅田」も、先行する「モクシー東京錦糸町」、「モクシー大阪本町」同様、ポップとシックを絶妙に混在した外観デザインで、入る前からすでにワクワク感を提供してくれる。

 モクシーを初めて訪れた人が、まず驚かされるのが、従来のホテルのフロントスペースがそこには無いことだろう。フロントの代わりにあるのは、何と「bar」のカウンター。「バー・モクシー」と呼ばれるその空間は、モクシーのフロントデスクであるとともに、夜にはカクテルなど、本格的なバーとして楽しめるスペースなのだ。飲食も24時間利用可能で、朝食やランチ、軽めの夕食や夜食とることもできる。バー・モクシーと隣接する「ライブラリーゾーン」と呼ばれる共有スペースの天井には、大阪食文化の象徴ともいえるタコとたこ焼きを模した巨大な装飾が施され、遊び心たっぷりにゲストを迎え入れてくれる。ここでは、少人数でのミーテングやコワーキングスペースとしての利用も想定されているという。これらのスペースは宿泊ゲスト以外の利用も可能なので、地元の人たちが気軽に立ち寄れる場所としても人気が出そうだ。

 また、ホテル内の随所に日本の電子産業の発展を支えた福島をイメージするポップなアートが飾られており、SNS映えもしそうだ。全288室の客室も遊び心が溢れるデザインで、55インチの大画面テレビ、高速無料Wi-Fi、豊富なUSBポート、モーション起動型LEDガイドライトなど、最新の設備で宿泊ゲストのニーズを充分に満たすものとなっている。

 モクシーでは支配人のことをキャプテンと呼ぶが、モクシー大阪新梅田でそのキャプテンを務めるフランス人のトマ・ヴィダル氏は「モクシーには、他のホテルにはないアミューズメント性がある。コロナが落ち着いたら、ライブやイベントも開催する予定なので、旅行や宿泊だけでなく、大阪や地元福島の人たちもぜひ、遊びに立ち寄って、モクシーを体験してほしい」と笑顔を見せる。

 また、プロジェクトマネジメントを担う積水ハウスの石井徹専務は、オープニングセレモニーの席上で「コロナへの万全の対策ができ、安心して利用してもらえることが確認できたので、オープンすることができた。ウィズコロナだけでなく、アフターコロナを見据えて、こんな状況下でもきっちり経営できるホテルであることを示し、将来的な発展につなげたい」と、コロナ禍の状況下でも前向きなホテル経営への意欲を覗かせた。

 緊急事態宣言が解除されてから、もう3ヶ月が経とうとしており、立ち止まってばかりもいられない。これから開発が進む「うめきた2期」も至近の福島の地でオープンしたホテルが、持ち前の遊び心で大阪の将来を明るく導いてくれることを期待したい。(取材担当:藤原伊織)