野田政権初の党首討論 前防衛局長発言で始まる

2011年12月01日 11:00

 野田政権発足から初となる党首討論が30日午後3時から衆議院国家基本政策委員会合同審査会で開かれ、谷垣禎一自民党総裁と山口那津男公明党代表が米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への代替施設建設に向けた環境影響評価書の提出をめぐり、田中聡・前沖縄防衛局長の不適切発言について野田佳彦総理を追及したほか、TPP参加問題や社会保障と税の一体改革の中で安定した恒久財源の確保に必要と政府・与党がしている消費税の引き上げ問題、震災復興の加速化に絞り込んで討論された。

 谷垣氏は「沖縄県民の気持ちを踏みにじり、信頼関係を失くしたなかで、環境影響評価書の提出はできるのか。一刻も早く、総理自ら沖縄に飛ばれて、誠心誠意の行動をとって頂きたい」と総理自らの行動を求めた。山口公明党代表も「沖縄の人々の心をどれだけ踏みにじれば気が済むのか」と追究した。

 野田総理は「沖縄防衛局長の発言は弁解の余地がない。更迭は当然の措置」とし、「沖縄防衛局長の発言は大変遺憾であり、沖縄県民の皆様に心からお詫び申し上げたい。中江公人防衛事務次官が沖縄へ謝罪に行っている」とし、これまで以上に普天間移設について沖縄県民に丁寧に説明し、理解を求めていくとの姿勢を示した。

 また、TPPについて谷垣自民総裁は「コメを守るのか、守らないのか、沖縄のサトウキビはどうするのか」など具体的な課題で総理の考えを質したが、野田総理は「日本の伝統、文化、農村漁村は守らなければならない」と答えるに留まった。谷垣自民総裁は「国会の場で情報を出して物事を明らかにすべき」として、国会に特別委員会を設けるよう求めた。

 社会保障と税の一体改革に伴う消費税の引き上げについて、野田総理は「社会保障の機能強化を図りながら、恒久財源を確保しなければならない。そのための法案提出は我々の義務であり、年内を目途に結論を出していきたい。政府が素案をまとめた時には自民党総裁として協議に入って頂くことを約束頂きたい」とテーブルにつくよう求めた。谷垣自民総裁は「素案でなく、成案を閣議決定して頂きたい」とした。(編集担当:福角忠夫)