加藤勝信官房長官は28日の記者会見で、元経済産業大臣の世耕弘成自民党参院幹事長が「二酸化炭素を出さずに大量のエネルギー供給ができる電源は原子力だ」などと述べ「新しい技術を取り入れた原発の新設も検討を進めていくことが重要ではないか」と原発新設へ道を開く発言をしていることに関連して記者団に受け止めを聞かれ「発言は承知しているが、政府としては現時点において、原発の新増設や建て替えは想定していない」と答えた。
原発の新増設に関しては、菅義偉総理も26日夜のNHKニュース番組で原発の新増設に関しては「従来通りです」と語り、新増設までは考えていない旨を答えている。しかし、菅総理は「原子力を含めたあらゆる選択肢を追及していく」と述べていることから、今後、新技術に基づく原発推進、既存のものとの入れ替えなど、あらゆる手立てで、結果的に、原発推進に道を開く可能性は否定できない。
日本共産党の志位和夫委員長は世耕氏の発言に対してツイッターで「何のことはない。やはり原発新増設を言い出した。(菅総理は所信表明演説で)『温室効果ガスの排出を2050年に全体としてゼロ』と打ち上げたが、原発漬けのエネルギーにしようということだ」と警鐘を鳴らし、「脱炭素とともに、原発ゼロを!」の実現がともに必要だとアピールした。(編集担当:森高龍二)