菅義偉総理は12日記者会見し、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の辞任表明に関して記者団に答え「熟慮を重ねた上で辞意を表明されたものと考えている」と述べ、後任会長選びについては「組織委員会でルールに基づいて、透明性の中で会長を決められるということでありますから、そういう形で是非決めていただいて、国民の皆さん納得のできるような手順を踏んで決定していただくことが大事だ」と述べた。
人事に関して菅総理は組織委が政府から独立した公益財団法人なので関与できないと国会答弁し、森会長の進退に言及することはなかった。今回の後任会長選定には「ルールに基づいて透明性の中で決めて行かれるものと思う。政府としては、国民の皆さんや世界の皆さんから歓迎される新しい組織をできるだけ早くつくられることを期待する」とした。
そのこととの整合性を問われた菅総理は「これは全く違うと思う」と述べ「私は組織委員会の最高顧問でありますので、決め方については、やはり透明にルールに基づいて決められるという、そうしたことはやはり決め方については申し上げるべきだというふうに思っています」と説明に説得力がなかった。
最高顧問としてはルールに基づいた組織運営を助言できるが、役員がそのポストにふさわしくない言動をとっても最高顧問は助言できないという悪しき前例をつくってしまったのではないか、最高顧問であれば、国内外から批判を浴び、「国益にとって芳しくない発言」と国会答弁した総理自ら森氏に助言すべきだったと解するのが自然ではないか。説明には疑問符が付く。(編集担当:森高龍二)