武田良太総務大臣は菅義偉総理の長男(株式会社囲碁将棋チャンネル取締役)の接待で総務省の秋本芳徳情報流通行政局長ら幹部が繰り返し会食したうえ、土産やタクシーチケットを受け取っていた問題について、16日の記者会見で「疑念を招くようなことが生じたことを心からお詫び申し上げたい」と陳謝した。
そのうえで「国家公務員は行政の中立性・公正性に対して疑念を持たれることは絶対あってはならないわけで、どういう事情、理由があるにせよ、国民の信頼を得るために身を律して常日頃から言動・行動に努めていかなくてはならないと考えている」と述べた。
総務省の原邦彰大臣官房長は15日の衆院予算委員会で立憲民主党の今井雅人議員の質問に「(総理長男が)倫理規定上の利害関係者に該当するという疑義があることは否定できない」と答えた。
また今井議員が「刑法197条=公務員がその職務に関し、賄賂(わいろ)を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。請託を受けたときは7年以下の懲役に処する=の賄賂に飲食やお土産などの接待も含まれるのか」と確認した際、原隆司刑事局長は「個別の案件は証拠に基づき個別に判断されるものと承知しているが、一般論として、公務員の職務に対する不法な報酬としての利益であり、金銭・財物・接待・供応などが利益として賄賂になり得る」と説明した。
これを受け、今井議員は(1)菅総理の長男(2)谷脇康彦、吉田眞人両総務審議官(3)山田真貴子内閣広報官を参考人として国会に招致するよう要請した。
武田総務大臣は16日の記者会見で「今、倫理審査会の指導に基づいて、速やか、かつ正確な調査報告ができるように、発破をかけているけれども、徹底的な調査とはいえ、事実関係に対しては慎重には慎重を極めて事実究明に努めなければならない。いい加減な報告書にならないように努めていきたいと考えている」と述べた。(編集担当:森高龍二)