菅義偉総理の長男と総務省の秋本芳徳情報流通行政局長ら幹部が繰り返し会食したうえに、長男から土産やタクシーチケットを受け取っていた問題が15日の衆院予算委員会で取り上げられ、総務省の原邦彰大臣官房長は立憲民主党の今井雅人議員の追及に「(総理長男が)倫理規定上の利害関係者に該当するという疑義があることは否定できない」と事実上、利害関係者であることを認めた。
菅総理の長男は総務省が許認可権を持つ事業対象となる「株式会社囲碁将棋チャンネル」の取締役も務めていた。今井議員が「許認可権の対象となる会社の取締役も当然、利害関係者になると思うが」と質したのに答えた。
菅総理は「いずれにしても、関わっている者が誰であっても、国民から疑念を招くようなことは避けるべきだ。総務省でしっかり対応してほしい」と答えた。
また今井議員は「刑法197条=公務員がその職務に関し、賄賂(わいろ)を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。請託を受けたときは7年以下の懲役に処する=の賄賂に飲食やお土産などの接待も含まれるのか」と確認。
川原隆司刑事局長は「個別の案件は証拠に基づき個別に判断されるものと承知しているが、一般論として、公務員の職務に対する不法な報酬としての利益であり、利益は財産上の利益にとどまらず、およそ人の欲望を満足させるに足りるものであればよいとされている。金銭・財物・接待・供応などが利益として賄賂になり得る」と説明した。
これを受け、今井議員は「飲食やお土産は賄賂になり得る。(総理長男が)利害関係者という話もそうだし、刑法上でも(今回の件は)相当な問題をはらんでいる可能性がある」と指摘し、国会として調査する必要があると提起。
(1)菅総理の長男(2)谷脇康彦、吉田眞人両総務審議官(3)山田真貴子内閣広報官を参考人として国会に招致するよう、金田勝年委員長に要請。金田委員長は「引き続き理事会で審議する」とした。(編集担当:森高龍二)