引っ越しの春。賃貸物件選びの決め手となる、最新の「人気設備」とは?

2021年03月21日 09:09

賃貸ZEH 太陽光パネル

積水ハウスは「賃貸ZEH」をシャーメゾンで展開 屋根に太陽光パネルを搭載

 コロナ禍で迎える、2回目の春。不安な中、新しい生活をスタートさせる人も多いだろう。企業の転勤はコロナ禍の影響で減少傾向にあるようだが、それでも就職や入学、卒業などで、この時期は年間を通じてもっとも「引っ越し」の多い時期だ。

 賃貸の引っ越しを経験したことがあるなら、引っ越しにかかる手間や労力を考えるとうんざりするのではないだろうか。何度も内覧を繰り返した挙句に、当初に出した条件のいくつかを妥協して物件を決めてしまうなんてことも、往々にしてあるだろう。とくにコロナ禍の現状、物件探しはできるだけ時間をかけずに決めてしまいたいという人も多い。そんな中、失敗しない賃貸物件選びのコツとは何だろうか。

 賃貸物件を選ぶ際に多くの人がこだわるのは「家賃」「間取り」「駅からの距離」の3点だ。ところが、この3点においては皆、自分の予算や生活スタイルをある程度具体的に把握しているので、「決定」する材料にはなっても「迷う」材料にはなりにくい。多くの人が賃貸を迷ってしまうのは、プラスアルファの「設備」だ。

 全国賃貸住宅新聞社では毎年、全国の不動産管理会社へのヒアリング調査を集計した「入居者に人気の設備ランキング」を発表しているが、その中の「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まるTOP10」で、単身者向けの1位は「インターネット無料」、2位は「エントランスのオートロック」、3位「宅配ボックス」となっている。一方、 ファミリー向けでも1位は「インターネット無料」だが、2位は「追い焚き機能」が前年に引き続いて2位となっており、「エントランスのオートロック」は3位となっている。今や、インターネットは生活に欠かせないものになっているが、個別に回線を契約すると月々数千円の費用が掛かってしまう。それが無料となれば大きな魅力になるのだろう。1位になるのも納得だ。

 しかし、このインターネット無料のオトク感を上回る設備を持つ賃貸住宅が現れ始めている。それが賃貸住宅のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス「賃貸ZEH」だ。

 住宅メーカー最大手の積水ハウスでは、これまで戸建て住宅を中心に採用を進めてきたZEHの技術と経験を集合住宅にも活かし、同社が展開する賃貸物件のシャーメゾンブランドでの展開を他社に先駆けて始めている。同社の「賃貸ZEH」は、建物自体の高い断熱性及び高効率エアコン、LEDなど高効率設備の採用による「省エネ」と太陽光パネルの「創エネ」により、一般的な賃貸住宅と比較し、光熱費をなんと39%も削減しながら、年間を通して入居者の快適な暮らしを実現するのだ。さらに、災害による大規模停電が発生した際にも、太陽光パネルが非常用電源として利用できるので、もしもの時にも安心だ。しかも、CO2の排出量も93%削減し、快適な日常を過ごしながら、脱炭素社会にも貢献できる。実際のところ、物件選びの際に「脱炭素社会の実現」を意識するような人は少ないかもしれないが、若い世代を中心にエシカル(倫理的消費=環境保全や社会貢献)な消費への関心が高まっており、消費行動も変化している。同社の調査によると、シャーメゾンZEHの入居者の約4割が、入居後に「エシカル消費や気候変動・エネルギー問題を意識するようになった」、「具体的な行動をするようになった」と回答しているというから驚きだ。日本は他の先進国に比べて、まだまだ環境に対する意識が低いといわれているが、実際の生活に取り入れることで、身近な問題として意識できるようになるのかもしれない。
 
 賃貸物件に求める条件は人それぞれだが、近い将来、人気設備の上位に「インターネット無料」と並び、経済的で快適かつエシカルな「賃貸ZEH」が入る日が来るのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)