騎手らにコンプライアンスの講習会 騎手クラブ

2021年04月13日 06:58

 日本競馬競技会(JRA)の騎手らが国の持続化給付金の受給資格を満たしていないのに給付金を受け取った問題で、日本競馬競技会は12日までに関係者170人を戒告や出勤停止、厳重注意などの処分にしたと発表した。受給した合計額は約1億9000万円に上っていた。

 日本騎手クラブの武豊会長は「不適切な申請・受給をしていた当該騎手については戒告処分を科すこととした。騎手としてだけでなく社会人として責任を持った行動・判断をしていくよう騎手全員に厳重注意した。コンプライアンス強化を目的とした講習会について定期的に実施することも予定している」とコメントを発表した。

 JRAによると4月2日現在、副業収入を理由とした2人と病気療養中のまま休職期間満了に伴い退職した1人を除いた166人の返還状況について、96人が返還済、70人が返還手続中と説明した。

 申請の114件に法人馬主の代表者を務める税理士法人が関与し、114人は返還済み、または返還手続き中と説明している。

 JRAの後藤正幸理事長は「中央競馬の賞金に由来する収入減少を理由に持続化給付金を受給していたにもかかわらず、虚偽申告をした者が判明し、これらの者に対し戒告するなど厳正に対処した。持続化給付金制度の趣旨・目的を逸脱した受給は社会の良識に欠ける行為で、今般の事案が中央競馬の信頼に関わる問題となったことに社会の皆様に心よりお詫び申し上げます。この度の問題に対して寄せられたご意見等を真摯に受け止め、お客様や社会からの信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります」とのコメントを発表した。(編集担当:森高龍二)