スズキ、コロナ禍の影響で医療用酸素不足を理由にインド国内四輪生産を一時停止

2021年05月04日 08:43

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スズキ、コロナ禍によってインド国内で病床だけでなく人工呼吸用の酸素が不足する医療体制危機に直面しているのを受け、四輪車生産を停止

 スズキは、新型コロナの感染拡大の影響で、インドにおける四輪生産を一時停止すると現地で発表した。インドでは過去最多のペースで感染が増えており、治療に使う酸素不足が深刻な問題になっている。インド政府からは工業用の酸素を医療用に供給する指示も出ている。同時に取引先からの部品供給などに懸念が出ていたことが要因だ。

 スズキの子会社でインド国内最大手のマルチ・スズキが28日、北部ハリヤナ州のグルガオン工場とマネサール工場での生産を5月1日から9日まで停止する。マルチ・スズキの広報は「現在の状況において酸素は命を救うために使われるべきだと考える」として、6月に予定していた設備のメンテナンスを前倒して四輪車生産を止める。

 同社が27日に開いた決算説明会で同社は「フル稼働で生産している」と説明したが、先行きについては「何が起こるか誰にも分からない」とコメントを控えた。

 同様に、スズキの四輪子会社であるスズキ・モーター・グジャラートも、西部グジャラート州の工場を停止する。インドにあるスズキの四輪全生産が止まる

 先般発表した2021年1~3月期、スズキのインド生産は前年同期比で186.4%、台数で17万台超と昨年のコロナ禍による業績低下から大きく復活していた。それだけに、今回の生産停止の影響が懸念される。

 インドでは今年になって新型コロナの感染が急増している。4月に入ってからは1日あたりの新規感染者数が30万人を超え、20年のピーク時と比べても3倍以だ。各地で外出制限が出ているほか、病床だけでなく人工呼吸用の酸素が不足する医療体制危機に直面している。(編集担当:吉田恒)