新型コロナ感染症に対する対応で政府自民党は国民から厳しい批判にさらされている。今月発表された、銀行を利用した飲食店への働きかけや卸売業者への取引停止などは多くの国民の猛反発を受けた。内閣の不支持率は50%を有に超えて高止まり状態が持続しており、7月4日の都議選では自民党は勝利することは出来なかった。11日、安倍前首相は北海道小牧市の講演で「自民党に対し、厳しい風が吹いている」と述べ多くの国民が自民党から離れていることを示唆した。しかし、若い世代に限ると、こうした社会全体の様相とは異なり自民党支持者が半数を超え圧倒的な支持を受けているようだ。
中高生から20代の若者世代と政治・社会をつなぐソーシャルプロジェクト「学校総選挙プロジェクト」を運営するマーケティングコンサルタントのCCCマーケティングとTポイントジャパンが6月下旬から7月上旬にかけて、「期待する政党」についてインター年途上で投票を募ったところ、全国の10~29歳から4523票の投票を得た。その結果、半数を超える50.8%が「自民党」を期待する政党として投票している。支持する理由としては「引き続きコロナ感染防止に全力を尽くしてほしい。途中で政権が変わるとややこしくなりそう。」、「コロナという未曽有の事態でも上手く国を回している。非難もあるが、なんだかんだ上手くいっているのでは。」「他の党よりマシなだけで期待値は低い」などとなっており、コロナ対策に対する評価も見られる。
自民党に次いで得票を得たのは「立憲民主党」だが、9.2%と1桁台まで下がっている。支持理由としては「最大野党だから」、「最近はよく対案を出している」などとなっている。これに続いて「日本維新の会」7.5%、「国民民主党」7.1%、「公明党」5.3%、「れいわ新撰組」、「日本共産党」3.6%の順だ。
菅内閣発足時の2020年10月には「自由民主党」は64.4%であったから、今回は13.6ポイント減少したことになり一方、「立憲民主党」は6.8%から2.4ポイント増加となっている。また、「期待できる政党がない」という理由で「その他の政党」とした者も3.6%から5.1ポイント増加の8.7%まで伸長し前回の2倍以上の得票率となった。レポートでは「自民党への投票を含め『消極的に選んだ』層が増えたことは、今の政治課題として着目すべき」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)