銀座クラブの3議復党?検討事態が不信招く

2021年06月27日 07:45

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選挙の都合で選挙前に復党し選挙を戦うというのであれば『禊を受けたことにならない』

 緊急事態宣言が出されている中で深夜に銀座のクラブに出入りしていた自民党の国会議員3人が世間の批判を浴び、国民に責任を取るはずの「議員辞職」でなく、自民党から離党勧告を受けて2月に「離党」したことは国民の記憶にも新しい。

 ところが総選挙を前に「復党へ」議員周辺が動いているというニュースが今月になって共同通信・時事通信・朝日新聞・東京新聞などなどマスコミ各社に取り上げられるようになった。

 「由々しきことだ」。3議員が総選挙出馬を見送るか、出馬するかはそれぞれの判断だが、緊急事態宣言中の深夜に銀座のクラブを出入りしていた責任を取らされて離党した議員たちだ。無所属で総選挙を戦い当選後の復党なら100歩譲って理解できても、選挙の都合で選挙前に復党し選挙を戦うというのであれば『禊を受けたことにならない』ばかりか「ほとぼりが冷めるまでの離党以外のなにものでもない」。国民・有権者をバカにしているといわれよう。

 地元では「事実ならひどすぎる話。社会的に許せるものでない」「国民を愚弄するもの」と怒りを隠さない声がある。

 また復党を認めれば、ご都合主義の自浄能力「ゼロ」政党とのそしりをまぬがれまい。この半年の間に菅原一秀前経産大臣は公選法違反(有権者への寄付行為)で略式命令を受けた。河井克行元法務大臣は妻の参院選挙で大規模買収事件を起こし懲役3年の実刑判決、妻の案里氏は懲役1年4月・執行猶予5年の判決を受け、当選無効が確定、吉川貴盛元農水大臣は鶏卵大手の元代表から大臣在任中に現金を受け取ったとして収賄罪で在宅起訴されている。

 彼らは国会の場で説明をしないまま議員辞職した。自浄能力が自民にあるなら国民に説明させるべきだった。銀座クラブの3議員はもちろん彼らのような刑法犯ではない。しかし、国民に自粛を呼びかける中で、信頼を裏切る行為をしたことに変わりない。復党を認めれば、他の選挙区の自民党議員に影響が出るだろう。

 3議員は元国家公安委員長の松本純(神奈川1区)、大塚高司(大阪8区)、田野瀬良太郎(奈良3区)の3氏=いずれも無所属。本来、離党でなく、議員辞職し、自民党公認で総選挙を戦い洗礼を受けるべきだった。自民党も離党勧告でなく、議員辞職させるべきだった。仮に3議員が自民党公認で出馬することを期待していたとすれば、の話だが。

 選挙の洗礼を受けずに復党を望んだり、認めたりすれば、新型コロナウイルス感染症対策で行きつけの飲み屋やクラブでの夜の飲酒をず~と我慢し続け、自公政権での感染対策ミスから「コロナの1波、2波、3波、4波」まで繰り返され、今も協力し続けている庶民にとって、許しがたいことだけは自民党はしっかり理解しておくべきだろう。(編集担当:森高龍二)