半年ぶりの9400円台を終値まで維持できず

2012年11月27日 11:00

 三連休明けの26日の東京市場は、23日のNYダウが大幅高で1万3000ドル台を回復したものの、フィッチがパナソニック とソニー の格付けを「投機的水準」に下げ、カタルーニャ自治州議選の開票で分離・独立派が過半数を超えスペインの債務不安が増し、自民党の安倍総裁が日銀の独立性や日銀の国債引き受けについて「安倍発言」を修正するなど、朝は悪材料が揃っていた。

 それでも日経平均は100円も高い9466円で始まった。ドル円は82円半ばで円安一服だったが、ユーロ円が26日のユーロ圏財務相会合でのギリシャ支援の進展に期待して朝方107円台に乗せたのが好材料で、23日の「ブラックフライデー」から始まったアメリカのクリスマス商戦が、全米小売業協会の22~25日の集計で前年比12.8%増と出足好調と伝わったこともプラスだった。

 半年ぶりの日経平均9400円台だったが、高値警戒感で前場後半には値を下げ、後場の引け際にさらに一段下げて9400円台を割り、終値は22.14円高の9388.94円だった。海外からの資金流入の勢いは止まらず3日続伸、売買代金は1兆3000億円を超えて市場は活発だったが、安値引けで終わり明日以降に不安を残した。

 円安ユーロ高で震災前の株価まで回復したトヨタ や日産 、ホンダ など自動車株は好調持続。ファナック や鉄鋼大手など輸出関連銘柄や電力、証券が買われた。アイフル は38円高で売買高2位、売買代金3位、値上がり率3位。一方、三菱地所 、三井不動産 など不動産株やJX など石油株が売られ、ソフトバンク は大引け間際の日経平均を押し下げた。

 投機的水準に格下げされたパナソニック は1円安、ソニー は16円安。電気料金の12%値上げを申請した関西電力 は38円高。金融庁が2013年度から新しい自己資本規制を実施すると報じられた地方銀行は、横浜銀行 が5円安、千葉銀行 が8円安、静岡銀行 が10円安とふるわなかった。

 今日の主役は半導体のルネサスエレクトロニクス で、48円高の+16.61%は値上がり率1位。日経新聞で政府系ファンドの産業革新機構と製造業8社が買収する計画に主要株主3社が合意したと報じられた。その3社のNEC 、日立 、三菱電機 も株価を上げた。再建に明るい見通しが見えたが、従業員の受け入れなど詰めの調整が残っている。