大卒男子初任給 最高と最低で5万円以上の差

2011年11月16日 11:00

 厚生労働省の平成23年賃金構造基本調査で大学卒業者の初任給は男子が20万5000円、女子が19万7900円となり、ともに前年より2.3%増えたことが分かった。一方、高卒では男女ともに前年より低くなっていた。

 また、初任給が最も高い「学術研究、専門・技術サービス業」の男子大卒(24万8300円)と最も低い「医療・福祉」の大卒男子(19万2200円)との間で5万6100円もの差が生じていた。医療、福祉産業分野は大卒男子平均初任給からみても9800円低く、高齢社会の中にあって医療、福祉産業が担う役割が大きいだけに賃金面でも他の産業に比べて新卒者にとって魅力のある業界に育てていく必要があり「仕事がきつい割に給料が低い」といわれる課題を改めて浮き彫りにしている。

 調査は今年6月分の新規学卒者の初任給を対象に、10人以上の常用労働者を雇用する民間事業所で、新卒者を採用した1万3534事業所を対象に7月に実施。大卒では男女ともに前年に比べ2.3%上昇していたのに比べ、高卒者の初任給は男子が15万9400円と前年より0.8%減。女子が15万1,800円と前年より0.9%減っていた。(編集担当:福角忠夫)