富士フイルム、新たなスキンケアブランドを開発、販売

2012年11月27日 11:00

 富士フイルムといえば、写真フイルム製造から始まり、デジタルカメラ、デジタルX線画像診断システム、内視鏡、臨床検査システムなど、様々な分野で実績を残してきた日本を代表する精密化学メーカーであることは言うまでもない。しかし、機能性化粧品・サプリメントなどと言ったヘルスケア分野にも本格参入し、積極的に事業を展開しているという事実を聞いても、一般的には同社に対して化粧品メーカーとしてのイメージを容易に持つことができる人はまだ少ないのではないだろうか。

 同社は2006年秋の市場参入当時、アミノ酸の培養技術を生かして、肌にとって適した量のアミノ酸を配合した化粧水を開発していたが、一方で、同社の写真フイルムの研究で培ってきた自社の技術をもっと生かした化粧品の開発をしていきたいと考えていたようだ。その結果、実は肌のハリ弾力の元であるコラーゲンは、写真フイルムの主原料であるということ。また、肌になにが良いか研究を進めるなかで、同社が長年研究を続けてきた写真の色あせを防ぐ「抗酸化技術」や写真用粒子の細かな機能や安定性を高める独自の「ナノテクノロジー」が、コラーゲンを守るために有効な成分の選択や機能アップに応用できることが判明したという。

 それ以降、多くの機能性化粧品・サプリメントを開発・販売してきた同社だが、今回新たなスキンケアブランドとして、シミや肌のくすみなどの肌悩みを持つ幅広い年齢層の女性に向けた美白スキンケアシリーズ「ASTALIFT WHITE(アスタリフトホワイト)」(医薬部外品)を、平成25年3月1日より発売することを発表した。「ASTALIFT WHITE(アスタリフトホワイト)」は、美白有効成分「ビタミンC誘導体」や「アルブチン」に加え、これらをサポートする同社開発の独自成分「ナノAMA」を配合し、明るく透明感あふれる肌へ導くという。

 「シミ」「そばかす」や「肌のくすみ」は、20代後半以降の多くの女性が抱える肌悩み。現在、化粧品市場全体は消費マインドが冷え込む中、国内の美白スキンケア化粧品市場は約1,500億円規模と、スキンケア化粧品市場の中でも大きな位置を占めている。しかし一方で、「美白化粧品を使っても効果を感じない」と思っている女性が約7割に達するという調査結果も出ている。(富士フイルム調べ)。

 同社は、今年の7月には、2018年度に化粧品事業の売上高を現在の約5倍にあたる約700億円に増やすという目標を掲げており、今後も他の化粧品メーカーとは異なる視点での発想をこれまで培ったコアテクノロジーを技術とうまく結び付けることで、新たな商品を開発し、消費者ニーズをとらえた独自性の高い商品を提供していく方針だ。