CDP2021 Aリスト企業アワード開催。 日本はAリスト企業の総数で世界一に

2022年01月30日 10:08

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機関投資家や顧客企業、団体から高く評価されていることが広く認識されることで、日本の環境課題への取組を一層促進する機会になることを期待したい

 英国ロンドンで2000年に設立された非営利環境団体で、企業や自治体向けに環境情報開示システムを運営するCDPが昨年12月に公表した2021年度のスコアを受け、同団体の最高評価となるA評価を獲得した日本企業70社以上を表彰する「CDP2021 Aリスト企業アワード」が2022年1月19日にオンラインで開催された。

 今回、全世界で評価対象となった企業約12000社の中から、環境先進的な上位2%にあたる272社がAリスト企業に選定され、日本はAリスト企業の総数、気候変動及び水セキュリティのAリスト企業数において世界一となっている。CDPによると、本年度のCDP Aリストの時価総額は12兆ドルに及び、水資源保護と森林保全の分野で、これまで以上に企業の先進的な取り組みが見られたという。

 また今回、 気候変動、森林、水の3つの環境テーマすべてでAリストに選定される「トリプルA」を達成した企業は、昨年の10社を上回る14社となり、日本企業からも花王や不二製油グループらが名を連ねている。さらに、森林テーマに掲載された企業も16社から24社に、水セキュリティ分野でも106社から118社に増加している。一方、気候変動のAリスト企業数は、昨年の280社から200社に大幅に減少しているが、これについてCDPでは、気候変動対策における先進性の定義変更にともなって、評価基準を引き上げたことに因るものと分析している。

 「CDP2021 Aリスト企業アワード」では、CDPのCEOであるポール・シンプソン氏の開会の挨拶を述べた後、岸田文雄内閣総理大臣や山口壯環境大臣、小池百合子東京都知事らをはじめとする来賓や、日本の環境課題への取組にかかわる様々なステークホルダーからのメッセージも紹介された。その中の一人である外務省の鈴木貴子外務副大臣は、国際社会で地球規模の課題の包括的な解決に向けた取り組みが加速する中、企業の情報開示と共有を促し、企業の持続的な成長に向けた活動を後押しするCDPは大きな役割を果たしていると述べ、外務省としても、CDPの活動や、情報開示を行う日本企業を積極的に応援するとともに、関係国と連携しながら、国際社会の取り組みを主導していくという旨のビデオメッセージを寄せている。

 また、Aリストに選定された企業の社長らもスピーチを行っている。トリプル受賞の花王、ダブル受賞のトヨタ、ソニーなど、日本を代表する企業のほか、村田、富士電機、TDK、東京エレクトロン、ロームなど電子部品メーカーの参加も目立った。今回、水セキュリティ分野で2度目のAリスト企業入りを果たした電子部品メーカーのローム株式会社の代表取締役社長 松本功氏も、Aリスト企業に選定されたことを喜ぶとともに、今後も水資源に関する取り組みを積極的に進めていくと述べた。

 CDP質問書はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に整合しており、グローバルな環境情報開示システムのデファクトスタンダードとなっている。
 
 機関投資家や顧客企業、団体から高く評価されていることが広く認識されることで、日本の環境課題への取組を一層促進する機会になることを期待したい。(編集担当:藤原伊織)