北朝鮮ミサイル「アメリカ全土射程内」防衛相

2022年03月27日 09:24

 岸信夫防衛大臣は25日の記者会見で、北朝鮮が24日発射した新型とみられる大陸間弾道ミサイル(ICBM)に関して「単純計算した場合、弾頭の重さにもよるが、1万5000kmを超える射程となり得ると考えており、アメリカ東海岸を含むアメリカ全土が射程に含まれることになる」と述べた。

 また「ミサイルは2月27日と3月5日に発射されたものと同じで、2020年10月に実施された軍事パレードで初めて確認された新型の大陸間弾道ミサイル級の弾道ミサイルと考えている」としたうえで「今般のICBM級弾道ミサイルの発射はこれまでの一連の発射とは次元の異なる、わが国、地域及び国際社会の平和と安定に対する深刻な脅威だ」と憂慮した。

 また「何らの事前の通報もなく本土から約150kmという地点に着弾させたことは、国民の安心・安全、航空機や船舶の安全確保の観点からも極めて問題がある危険な行為だ」と非難。

 そのうえで「北朝鮮は国際社会がロシアによるウクライナ侵攻に対応している中にあっても、国際社会に対する挑発を一方的にエスカレートさせるようなこの発射を強行しており、断じて容認できません。関連する安保理決議に違反し、国際社会に背を向ける行為。許されない暴挙で断固非難する」と述べた。

 岸防衛大臣は「防衛省として北朝鮮の軍事動向に引き続き、米国とも緊密に連携をとり、情報収集・警戒監視に全力を挙げ、わが国の平和と安全の確保に万全を期す」と強調した。(編集担当:森高龍二)