岸田文雄総理は21日夜、米国バイデン大統領と約80分にわたりテレビ会談を行い、「オンラインでこうしてお話ができる事を大変うれしく思っています」と冒頭、時間を割いてもらったことに感謝の意を伝え、国際情勢・安保に関して意見を交わした。
その後の記者会見で岸田総理は「自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、日米が連携し、同志国との協力を深化させることで一致した」と話した。
また岸田総理は「バイデン大統領の訪日を得て、次回、日米豪印首脳会合を今年前半に日本で開催する考えを伝え、支持を得た」とした。
両首脳は「地域情勢に関する議論で東シナ海、南シナ海、香港、新疆(しんきょう)ウイグルを含む中国をめぐる諸課題、北朝鮮の核・ミサイル問題について、日米の緊密な連携でも一致」した。
岸田総理は記者団の問いに答え「中国についてはかなりの時間をかけてやり取りを行った」とした。特に「中国をめぐる諸課題について意見交換を行い、東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試みや経済的威圧に反対する、そして諸課題について緊密に連携していくことで一致した。台湾についても台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す、こうしたやり取りはあった。これ以上の詳細は控えます」と具体の言及を控えた。
一方、日本共産党は機関紙赤旗電子版(23日)で「ホワイトハウス担当官の記者説明によると、岸田首相は補正予算と本年度予算を合わせて軍事費を8%増額したことを伝達。バイデン氏は歓迎と支持を表明し『防衛分野における投資を今後も持続させる』と述べるなど、歯止めのない軍拡の危険な動きが示されました。ホワイトハウス担当官は『日本にとって空前のことだ』と説明しました」と防衛費大幅増額の意向を伝えるなど「岸田首相は国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を策定することで『日本の防衛力を抜本的に強化する』と表明。空前の大軍拡に前のめりの姿勢を示した」と報じた。
また両首脳の会談で在日米軍基地での新型コロナ感染が拡大していることに関連しての「日本政府の権限下で米軍の出入国管理や検疫を可能にするための日米地位協定の改定は議題となりませんでした」と日米地位協定が俎上にあげられなかったことも報じた。(編集担当:森高龍二)