合法的反戦デモ グレーゾーン位置付けた事ない

2022年04月08日 06:42

 鬼木誠防衛副大臣は6日の衆院外務委員会で「防衛省は合法的な反戦デモをグレーゾーン事態(武力攻撃に至らない手段で自らの主張を相手に強要するもの)に位置付けたことはない」と答弁した。そのうえで「防衛省としては、誤解を招くようなことのないよう、正確で分かり易い情報提供に努めてまいります」と述べた。

 防衛省陸上幕僚監部は2020年2月4日の記者勉強会で「反戦デモ」をテロやサイバーテロと同列視し、安保法制発動となる「グレーゾーン事態」にあげた資料を配布。記者から不適切との指摘を受け、資料を回収し、「反戦デモ」を「暴徒化したデモ」に書き換えて再配布していた。

 鬼木防衛副大臣は、この日の委員会で「誤解を招く表現で、不適切であった」と非を認めた。

この日の委員会で日本共産党の穀田恵二議員は、新たに、前年の10月11日開かれた偕成社総会でも当時の湯浅悟郎陸幕長が「反戦気運などを高めて、国家崩壊へ向かわせる危険性がある」と反戦デモを敵視する発言をしている旨を取り上げ、憲法が保障する基本的人権の「思想・信条の自由」を侵害する「重大問題だ」と提起した。

 鬼木防衛副大臣は「防衛省は『合法的な反戦デモ』をグレーゾーン事態の一つとして位置付けたことはない」と答弁し、同様の発言を湯浅氏が繰り返していたかどうか、調査する必要はないとした。(編集担当:森高龍二)