9月8日、積水ハウスが2022年2-7月期(第2四半期/中間期)決算を発表した。2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格や資材価格の高騰の影響がある中で、住宅の受注は引き続き底堅く四半期決算では増収増益を維持して中間期は増配。通期見通しも期末配当見通しも上方修正した。
2022年2-7月期の売上高は前期比16.3%増の1兆4,236億円で、前年同期の4.8%増から増収幅をさらに拡大し、2年連続で中間期の過去最高を更新した。営業利益は33.5%増の1,464億円、経常利益は32.6%増の1,476億円、四半期純利益は43.4%増の1,040億円で、前年同期からさらに増益幅を拡大している。
セグメント別の売上高は、「請負型」が9.6%増。エネルギー収支実質ゼロを目指すZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の戸建住宅は、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した電力、ガスなどエネルギー価格の高騰も追い風になっている。コロナ禍が続く中、在宅時間の増加に伴って住まいへの関心も高まっている。そんな生活様式の変化に対応した「ファミリー スイート おうちプレミアム」などの提案も受注、売上高を押し上げた。賃貸住宅ではシャーメゾンZEHの受注比率が61%と伸びている。戸建住宅事業の売上高は前年同期比7.3%増で、賃貸住宅事業は14.1%増。建築・土木事業も前年同期の1.4%減から6.5%増へプラス転換した。
コロナ禍の生活様式の変化に対応とともに省エネ提案を積極的に行った「ストック型」のリフォーム事業は好調な受注が続き売上高3.9%増。不動産フィー事業も入居率、賃料が高水準を維持でき、5.8%増と堅調で、全体では5.3%増だった。
「開発型」は21.8%増。営業体制強化が功を奏した分譲住宅事業が売上高34.8%増と前年同期に近い増収率をあげた。マンション事業も25.7%の増収で、都市再開発事業は2.9%減となった。
7月に買収したアメリカのチェスマー・ホームズの合併効果に加えて、円安のメリットもあり、国際事業は61.6%増と大幅増収を記録。
主力の請負型の営業利益は前年同期と比べて、請負型は戸建住宅事業が1.1%増、賃貸住宅事業は15.5%増、建築・土木事業は35.6%の大幅減で、トータルでは0.1%増と営業増益を確保した。ストック型のリフォーム事業の営業利益は6.2%増、不動産フィー事業は1.2%減で、合計で1.3%増の微増。開発型の分譲住宅事業は49.5%増、マンション事業は60.1%増、都市再開発事業は74.7%増で、トータル58.9%の営業増益と非常に好調だった。国際事業の営業利益は、154.5%増で、最大の増益分野となっている。
受注高は、請負型では前年同期比で戸建住宅事業0.8%減、建築・土木事業0.6%減と微減したが、賃貸住宅事業の5.2%増がカバーしてトータル1.4%増。ストック型はリフォーム事業6.7%増、不動産フィー事業5.8%増でトータル6.0%増と堅調だった。開発型は分譲住宅事業が受注高25.2%増ながらマンション事業は0.5%増の微増、都市再開発事業は14.6%減で。トータル7.8%増となっている。
積水ハウスは第2四半期決算発表と同時に通期見通しを上方修正した。売上高は1,430億円上積みして前期比13.1%増の2兆9,300億円、営業利益は240億円上積みして13.0%増の2,600億円、経常利益は13.0%増の2,600億円、当期純利益は160億円上積みして13.1%増の1,740億円を見込んでいる。期末配当予想は5円上方修正した52円で、前期末の47円を5円上回っている。年間配当予想は前期を14円上回る104円に上方修正した。
2023年1月期(2022年度)は、第5次中期経営計画(2020~2022年度)の最終年度となる。期末の業績は、第5次中期経営計画の目標を大きく上回る見通しで、続く第6次中期経営計画に好調な流れのまま向かうことができそうだ。(編集担当:寺尾淳)