名古屋・大阪間環境アセス来年着手へ支援と総理

2022年10月30日 10:25

 岸田文雄総理は27日のIHRA(一般社団法人国際高速鉄道協会)国際フォーラム2022にビデオメッセージで、リニア中央新幹線について「東京・名古屋・大阪を含む世界最大級の新たな大都市圏を形成する国家的プロジェクトだ」とアピールし「建設主体が2023年から名古屋・大阪間の環境影響評価(環境アセスメント)に着手できるよう、沿線自治体と連携して必要な指導、支援を行う」と述べた。

 岸田総理は「世界の鉄道の歴史は東海道新幹線開業で飛躍的な進化を遂げ、新幹線は今や台湾、インド、米国にまで広がりを見せている。台湾新幹線は基幹交通システムとして発展を遂げ、インドのプロジェクトも社会変革をもたらすことが期待され、着実に進捗している」とした。

 そのうえでリニア中央新幹線について「2016年、建設主体の当時の2045年の東京・大阪間の全線開業計画について、全線開業までの期間の最大8年間前倒しを図るため、財政投融資を活用し3兆円の長期、固定、低利の貸付けを行った。さらに水資源、環境保全等の課題解決に向けた取組みを進めることで東京・名古屋間の早期整備を促進する」と意欲を示した。

 岸田総理は「デジタル活用等も進め、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて取組む」と述べるとともに、今年5月にリニア試験車両に試乗した感想を「高い技術と快適さを体感した」と紹介し「皆様も実用段階にあるリニアの快適性を是非体感していただきたい」と勧めた。(編集担当:森高龍二)