人事院勧告実施の改正案は提出しない 閣議決定

2011年10月31日 11:00

 政府は国家公務員給与に関する人事院勧告の扱いについて、公務員給与を約8%引き下げる給与臨時特例法案の早期成立に最大限努力するとして「人事院勧告を実施するための給与法改正案は国会に提出しない」方針を28日、閣議決定した。

 一方、こうした法案への理解、協力を公務員はじめ与野党から得るため、総理、大臣、副大臣、政務官については法案成立前に前倒しして、減額を実施することを同日の閣僚懇談会などで決めた。

 給与臨時特例法案が成立、施行されれば、国家公務員の給与削減が実施されるが、輿石東民主党幹事長が27日に発言した「国家公務員給与が地方公務員給与に波及するということを決めているわけでない」という発言は国家挙げての歳出削減に乖離した発言との批判もでている。

 地方公務員については国が対応できるものではないが、28日の国家公務員の給与改定に関する取り扱い(閣議決定)では地方公務員の給与改定についても「各地方公共団体において、地方公務員法の趣旨に沿って適切な措置を講じるとともに、地方公共団体の定員についても、行政の合理化、能率化を図り、適正な定員管理の推進に取り組まれるよう期待する」と明記し、国家公務員に準じた対応を間接的に自治体に期待した。(編集担当:福角忠夫)