岸田文雄総理は11日、広島で開かれた「核兵器のない世界」へ向けた国際賢人会議初会合の閉会セッションであいさつし「来年我が国が議長を務めるG7広島サミットでは『核兵器のない世界』に向けた力強いメッセージを発信できるよう議論を深めていきたいと考えている。『ヒロシマ・アクション・プラン』に沿って、現実的かつ実践的な歩みを進めていく」との考えを強調した。
岸田総理は「世界の安全保障環境が一層厳しさを増し、核兵器使用の脅威が高まるとともに、国際社会の分断が一層深まるなど、私たちは核軍縮を巡る厳しい現実の壁に直面している」との認識を示した。
そのうえで「厳しい現実の中でも、私は被爆地広島出身の総理大臣として、これまでも核軍縮の進展のための国際的な機運を今一度高めるために取組みを続けてきた。『核兵器のない世界』に向けては現実的かつ実践的な取組みを進め、国際社会の機運を高めていくことが重要」と呼び掛けた。
また「委員の皆様方には、厳しい現実を理想に近づけていくための具体的な方策に、より議論を深めていただき、次回のNPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議も見据え、有益な成果を達成いただくことを期待する」と述べた。
岸田総理は「今回の国際賢人会議ではオバマ元米国大統領、シュタインマイヤー・ドイツ大統領、アルバニージー・オーストラリア首相、グテーレス国連事務総長など世界の政治リーダーの方々から『核兵器のない世界』を実現するために力強いメッセージを頂いた」とし「大変勇気づけられた」とも語った。(編集担当:森高龍二)