IHIの子会社であるPVD成膜装置メーカーのHauzer Techno Coating B.V.は、IHI横浜事業所内に、PVD成膜装置の採用を検討しているユーザーによるサンプル成膜評価、ユーザーによるプロセス共同開発、アフターサービスの拠点となる「コンピテンスセンタージャパン」を開設した。
同センターは、世界有数のPVD成膜装置メーカーであるハウザーが、急速に拡大しつつあるアジアのハードコーティング市場における、販売力強化とサポート体制の強化を目的に、オランダ本社、上海に続いて設立したもの。欧州と並んで成膜技術の工業応用先進地域である日本において、最先端技術を紹介するハウザーのショールームとしての役割と、アフターサービス拠点としての役割を担う。同センターでは、自動車エンジン部品を中心に、急速に採用が広がるDLC成膜技術や、ハウザー独自の最先端の成膜技術であるHIPIMS+を搭載した最新の成膜装置を導入。また、量産工場と同等の成膜前洗浄設備や、品質検査設備も備えており、成膜装置単体のみでなく、ターンキー・ソリューションの提供も可能だという。
ハウザーは、同センターの開設の他にも、アジア・欧州地区での好調な受注に対応するため、オランダ本社工場に第二工場を建設、10月12日に竣工する。第2工場の生産能力は20台/年で、本社工場全体の生産能力は、年産25台から最大45台に拡大する。ハウザーでは、オランダ本社、上海、横浜の3拠点の連携により、需要の拡大するアジア市場での販売・アフターサービスを強化していく。