食料・農村政策新展開の方向の取りまとめを指示

2022年12月28日 10:00

 岸田文雄総理は27日開いた食料安定供給・農林水産業基盤強化本部で、野村哲郎農林水産大臣に「世界的な食料情勢や気候変動、海外食市場の拡大など、我が国の食料・農業を取り巻く課題の変化を踏まえ、来年度中に食料・農業・農村基本法改正案を国会に提出することを視野に、来年6月をめどに食料・農業・農村政策の新たな展開方向を取りまとめるよう」指示した。

 岸田総理は「総合経済対策で水田の畑地への転換と麦・大豆等の本作化、スマート技術の開発・実証・実装、15品目7団体の認定品目団体を中核とした売り込み強化と大ロット輸出産地の形成、グリーンな栽培体系への転換支援など、構造的な対策を本格的に始動していく」ことに意欲を示した。

 また食料安全保障について「現下のウクライナ情勢を受け、食料安全保障の強化は緊急の対応が必要な世界の重要課題の1つだ」との認識を示し「先日のG20バリサミットでもこの認識が共有されている」とした。

 そのうえで「我が国経済の脆弱性を克服し、食料安全保障を強化していくため、食料安全保障強化政策大綱を本日決定し、輸入依存からの脱却に向けた肥料・飼料や麦・大豆等の国内供給力の強化など、農業構造の転換を力強く進め、国民生活に直結する食料の供給基盤を確かなものとしていく」とした。(編集担当:森高龍二)