防衛装備品企業撤退時に国が製造設備買い取りも

2023年06月08日 06:12

 防衛産業から企業撤退が増えていることから政府は防衛装備品などを製造する企業が撤退した場合、製造設備を国が買い取り、希望する会社に管理委託するなどを可能とする法整備を目指し、今国会に提出していた「防衛装備品生産基盤強化法」が7日の参院本会議で自民、公明、立憲、国民、維新などの賛成多数で可決、成立した。

 法の成立で、防衛装備品の海外輸出のために「仕様」や「性能」を変えるコストを助成するなど輸出に取組む企業の後押しを可能にしたほか、サイバーセキュリティの強化や製造工程の効率化に取組む企業に財政支援などをすることができる。

 一方、情報保全のため、防衛産業関係者が装備品の秘密を漏らした場合、1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金に処すとしている。

 佐藤正久元防衛大臣政務官はツイッターで「やっと1歩という感じ。個人的には基盤強化というより基盤維持ぐらいの感覚→防衛産業への支援強化法案が可決・・・事業継続困難時に製造ライン国有化可能に、まだまだ課題もあるので、予算措置等、更に必要な部分のテコ入れも考えないといけない」と発信した。

 自民党は持続可能な防衛産業の構築に向け、プロポーザル方式の活用も念頭に「競争入札原則の見直し」を図り、国民に十分な説明責任を果たすことで随意契約を原則とすることなども求めている。(編集担当:森高龍二)