経済同友会代表幹事で新しい資本主義実現会議の新浪剛史委員は25日の実現会議で「年功序列・終身雇用を前提とする雇用体系では年齢に関わりない適正な処遇実現は困難」などとして「高齢者就労の拡大には経験やスキル、体力、意欲などと職責・処遇が連動する『ジョブ型』への転換推進が必要」とジョブ型の雇用を推進するよう求めた。
またコンテンツ産業の活性化に向けた政府の取組みについては「コンテンツ産業の基礎は多様なクリエイターの柔軟な発想と企業の創意工夫であり、政府には民間の発意に即して支援を進める姿勢が求められる」として「ビジネス実務者やクリエイターと政府・行政との対話の場を設け、事業戦略と支援策の方向性の合致を図るべき」と提言した。
日本労働組合総連合会(連合)の芳野友子会長は「国際的に見て、日本の高年齢労働者の就業率および就業意識は高いことが知られているが、内閣府調査によれば生活費を得たいとする回答が最も多く、生活不安が大きな要因となっている」と指摘。「企業労使を主体とする高年齢者雇用制度の充実のみならず、雇用のセーフティネットや年金制度の拡充にも取り組む必要がある」と提案した。
またフリーランスへの取組みに関して芳野氏は「コンテンツ産業に限らず、多くのフリーランスは発注者に対し弱い立場にあり、長時間にわたる就業時間の削減をはじめとする環境整備や報酬の引き上げが重要課題になっている。来年施行予定の『フリーランス新法』はフリーランスの契約適正化には一定程度の効果が見込めるが保護策については施策の強化が求められる」と指摘。
芳野氏は「1985年以降改正されていない『労働者性の判断基準』を見直し、労働者の範囲を拡大することは請負契約で働く者の保護のために必要」と要請した。(編集担当:森高龍二)