岸田文雄総理は18日開かれた総理官邸でのインフラメンテナンス大賞表彰式であいさつし「事後保全型メンテナンスから予防保全型メンテナンスへの本格転換に国全体で取組む必要がある」と強調した。
岸田総理は「能登半島地震では道路、上下水道、電力など重要なインフラ・ライフラインが数多く寸断された。いまだ復旧の見通しが立たない地域もあり、避難生活の長期化が見込まれる大変厳しい状況にある」とした。
そのうえで「我が国のインフラは高度成長期に大量に整備され、老朽化の問題が顕在化している中、メンテナンスの担い手不足も深刻だ。損傷が生じてから対処する事後保全型メンテナンスでは結果的にコストが高くなるだけではなく、災害などの外力に十分に対処できないことが明らかになってきている」と指摘。
「生産性を飛躍的に高めるような新技術・デジタルの活用を徹底的に進めつつ、広域的・戦略的なインフラマネジメントを推進することで、予防保全型メンテナンスへの本格転換に国全体で取組む必要がある」と意識付けを呼びかけた。
今回317件の応募から、ガスの漏洩検査にレーザー分光式検知器と専用ナビの活用で検査効率を向上させた大阪ガスネットワーク株式会社が内閣総理大臣賞を受けた。岸田総理は「ガスの漏えい検査の生産性を著しく向上させ、メンテナンスを担う人材不足の解消にもつながるもの」と高評した。(編集担当:森高龍二)