自民党派閥による政治資金パーティーでの裏金問題で自民党の政治とカネの問題が解明されないまま政党交付金として今年度、自民党に160億5328万9000円が交付されることが決まった。
もともと政治と特定企業や特定団体、特定業界が癒着する温床となる政治献金をなくすかわりに創設された「政党交付金(政党助成金)」のはずが、企業献金やパーティー券購入などの形でいまだに継続し続けており、企業・団体献金の全面禁止が強く求められている。
国民1人当たり250円を負担する計算で、交付金申請を行った9政党に今年度は総額315億3652万円が交付される。金額は国会議員数や直近国政選挙での得票数割で決定している。ベースとなった人口は2020年国勢調査の人口1億2614万6099人。これに250を乗じて額を算出している。
自民は政党交付金の半分(50.9%)を受ける。次いで立憲民主党68億3544万円。日本維新の会33億9444万8000円。公明党29億887万3000円。国民民主党11億1931万3000円。れいわ新選組6億2934万9000円。社会民主党2億8820万8000円。参政党1億8922万円。教育無償化を実現する会1億1838万円。
日本共産党は国政政党として受給資格を有するが「政党交付金は国民がどの政党を支持するか1人ひとり自由なのに、政党助成は自分の納めた税金が自分の支持していない政党に強制的にまわされることになる強制献金制度で、憲法の保障する思想・良心の自由(19条)をふみにじるものだ」として今年1月にも「政党交付金廃止法案」を国会に提出しており、交付申請を行ったことがない。
日本共産党は「政党助成制度は本来国民に依拠して自律的に活動すべき政党のあり方をゆがめ、税金のひもつきにしてしまうもので、政党と政党政治を堕落させるもの」とも警鐘を鳴らしている。(編集担当:森高龍二)