岸田文雄総理は2日開いた水循環政策本部会合で「水需要の変化を踏まえ、全国の各種ダム等の既存インフラをフル活用し、流域関係者の連携による最適な水力管理を徹底し、官民連携よる水力発電の最大化を実現するよう」指示した。
また岸田総理は「この議論をエネルギー基本計画の見直しにおいても進めるよう」指示した。気候変動の影響顕在化で二酸化炭素排出量の削減が急務になっており、水力エネルギーの利活用が重要との意見を踏まえた。既設ダム発電施設の新増設やハイブリッド化を図る。
この日の会合で岸田総理は「今年度より水道行政が厚生労働省から国土交通省に移管され、上下水道一体となった行政が実現することになった。人口減少、インフラの老朽化、カーボンニュートラルなど社会課題解決に向け、官民連携で水循環政策を見直していく」との考えを示した。
このうち上下水道事業再構築に関しては「今年度予算に創設した上下水道一体効率化・基盤強化のための補助制度を活用し、上下水道一体でPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)/PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)を推進し、業務効率化を進めるよう」に指示。
また水インフラの耐震化と災害時の代替性・多重性確保に関しては「能登半島地震の教訓を踏まえ、全国の水インフラの耐震化状況を再確認すること、早期復旧を実現する災害復旧手法を構築すること、地下水等の代替水源の有効活用など持続可能で災害に強い水インフラ整備を進めるよう」に指示。
岸田総理は「水循環政策では、これまで進めてきた流域治水から流域単位での水力発電の増強などのカーボンニュートラルの視点も含めた流域総合水管理に進化させていく。水循環政策担当大臣(斉藤鉄夫国土交通大臣)を中心に、この夏を目途に水循環基本計画を改定し、関係政策の工程表を策定するように」と指示した。(編集担当:森高龍二)