13党・政策責任者が経済政策の柱示す

2012年11月26日 11:00

 12月16日投票で行われる総選挙を前に、25日のNHK日曜討論に13党の政策責任者らが参加し、経済政策などについて考えを示した。

 民主党の細野豪志政調会長はデフレ脱却と経済再生に向けた取り組みについて「補正予算は絶対に必要だ」としたうえで「将来の成長の種を育てていく」とし「福島はじめ被災地の経済をしっかり支えるとともに、働く人の状況をよくするため、雇用を中心に経済の再生を図りたい」と雇用政策を重点とする取り組みを語った。

 自民党の世耕弘成政調会長代理は「政権奪還ができれば、日本経済再生本部を立ち上げ、経済対策を矢継ぎ早に進めていきたい。また次元の違う対策もしたい。日銀と連携し、マネーをマーケットに供給していく。官民協調外債ファンドをつくり外国債を購入することで円安に誘導し、産業界の根っこの部分を支援していく」とした。

 国民の生活が第一の松崎哲久政策担当副幹事長は「最大の景気対策は消費税撤回だ」とした。「国民のみなさんに、この選挙で、意思として、増税をやめるよう決めていただきたい」とした。

 公明党の石井啓一政調会長は「景気が後退局面に入りつつあるため、今年度予算で10兆円規模の大規模補正予算を組み、景気の下支えをすべきだ。そのうえで、デフレ脱却のために物価目標と達成時期を政府と日銀が共有して、金融政策と需要喚起を両輪でやっていくべき」とした。

 日本維新の会の片山虎之助参議院議員は「海外経済も減速してきている」とし「思い切った補正予算と来年度予算編成を強力にやらないといけない」と求めた。

 共産党の小池晃政策委員長は「消費税増税中止法案を出して増税を中止させたい」とするとともに「大企業の260兆円の内部留保をしっかり動かしていく。雇用(非正規雇用から正規労働へ)、中小下請け業者を守るルールづくりをしっかりやる。社会保障の財源は富裕層や大企業の応能の負担を求めていく」とした。

 みんなの党の浅尾慶一郎政調会長は「デフレは規制改革、税制改革、金融政策、基礎科学技術の振興の4つを柱にする」とし「最大の規制改革は発送電分離改革」とした。

 減税日本・反TPP・脱原発を実現する会の山田正彦共同代表は「国民の暮らし向きを良くすることが大事。そのため金融の量的緩和、医療・介護・福祉、再生エネルギーなどへの財政投資をし、景気を良くする」とした。

 社会民主党の服部良一政審会長代理は「今、若者や一人暮らしの人は飯が食えない状況だ。非正規労働者が4割近くにもなっている。これをどうするか」を重要な柱の一つにし、一方で「個人資産や企業の内部留保がある。需要をどうやって喚起するかだ」とした。そのうえで「エネルギー革命、地産地消のエネルギー政策に鍵があるのではと思っている」と語った。

 みどりの風の亀井亜紀子共同代表は「消費税増税は消費が上向いた後ですべき」とし「企業に対しては研究開発や投資に対しての減税、特殊技術を持つ中小企業への支援、成長分野の産業に積極的に投資していく。公共事業では道路・橋梁補修を進めていく」などをあげた。

 国民新党の浜田和幸政調会長は「年収400万以下の方でも自分の家が持てるような住宅ローン政策を進める。経済波及効果は34兆円程度になる。また、教育分野で奨学金制度を充実させる」とした。

 新党大地の鈴木宗男代表は「景気回復の特効薬は今の政治の流れを変えること」と強調。「小泉内閣以後の新自由主義・過度な規制緩和により国民はやる気を失い、生活保護者が210万人にも なった」とし「国民の声を一番聞いている地域政党が結集することが景気回復につながる」とした。また「消費税増税は景気が良い時に行うもの」とし、増税を決めた手続きにも問題があるとして「増税に大反対」と語った。

 新党改革の舛添要一代表は「デフレ克服が第一。法人税を下げ、規制緩和をし、企業を元気にする。国民にお金を使ってもらうためには老後に安心の持てる社会保障をつくらないといけない。でなければ(消費が伸びず)景気回復にもならない」とした。(編集担当:森高龍二)