岸田文雄総理は13日開いたGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議で来春に改定を計画している「エネルギー基本計画」と「地球温暖化対策計画」策定について「産業構造、産業立地、技術革新、消費者行動といった経済社会全体の大変革と脱炭素への取組みを一体的に検討し、2040年を見据えたGX国家戦略として統合していく中で、官民が共有する脱炭素への現実的なルートを示すものにしたい」とした。
そのため、6月以降に『GX2040GXリーダーズパネル(仮称)』を開催し、強靭なエネルギー確保へGX産業立地、産業構造、市場創造などを議論、 その議論などを踏まえ、エネルギー基本計画・地球温暖化対策計画の見直し、カーボン・プライシングの制度設計につなげていくとした。
岸田総理は「原油価格においても激しい価格変動が常態化する中、過度な化石燃料依存から脱却するためのカーボン・プライシングの活用、長期の脱炭素電源への投資促進、トランジション期における戦略的な予備電源の確保などの検討が必要」と強調。
また「一定の前提を置いて、エネルギーの総供給と総需要を突き合わせたエネルギー基本計画と地球温暖化対策計画を策定し、脱炭素への道筋としてきたが、政治・経済・社会・技術、あらゆる面で世界が安定期から激動期へと入りつつある中、単一の前提ありきでエネルギーミックスの数字を示す手法には限界がある」とし「前提自体を自らが有利な方向にどう変えていくか、前提の急変に即応する柔構造をどう備えていくかが、より一層重要になっている」と述べた。(編集担当:森高龍二)