東日本大震災以降の全国分散型データセンターの需要の高まりに対応するため、双日がICT分野の基礎インフラであるデータセンター事業を拡大することを4日に発表した。第一弾として、同社の子会社でICT中核会社の日商エレクトロニクスが、大阪市堂島にデータセンターを立ち上げており、すでに9月下旬からエンタープライズ(一般企業)向けサービスを開始している。
全国の企業の約2割が東日本大震災によってシステムに影響を受けており、そのうちの6割以上は「電源供給の停止」と 「ネットワークの遮断」で、約2割は「サービス・アプリケーションの停止」であったと報告されている。そんな中、ICT分野ではBCP(事業継続計画)やDR(Disaster Recovery)サービス、企業が自社内でクラウドコンピューティングのシステムを構築するプライベートクラウドなどの需要が高まっており、電力不足の懸念が高い東京集約型のデータセンターの地方分散化が注目されている。
双日グループのデータセンター事業は、さくらインターネットがインターネット事業者や個人向けにホスティングサービスやハウジングサービス等を展開しているが、今後はエンタープライズ向けのICT基盤ソリューションで強みを持つ日商エレクトロニクスが、さくらインターネットのデータセンター基盤などを活用して製造業・小売業・卸売業などの企業向けおよびシステムインテグレーター向けのデータセンター事業に参入。グループ内での協業によって、インターネット事業者や個人向けのデータセンター事業領域はさくらインターネットにて拡大、エンタープライズ向け(プライベートクラウド領域含む)データセンター事業領域は日商エレクトロニクスを主体に強化することで、幅広い顧客のデータセンターサービスのニーズへの対応を図るという。