ユニークさが目を引く、清涼飲料業界の秋冬商品

2011年10月03日 11:00

 清涼飲料業界は、長引く不況による消費低迷やPB(プライベートブランド)商品の台頭もあり、各社、独自性の高い商品開発により、他社との差別化を図り、消費者の購買意欲を高める努力をしている。2011年度の秋冬の新作も次々と発売されているが、今年もユニークな商品が登場しているようだ。

 「満たす、デミタス」のキャッチフレーズで現在、篠原涼子のデミタスコーヒーのテレビコマーシャル展開が目立つダイドードリンコ。メインカテゴリーであるコーヒー部門に力を注ぎながらも、これまでも古き良き昭和を懐かしむレトロブームを背景に、”飲料を飲むことがちょっとした贅沢であった時代”のテイストを、オリジナリティの高いパッケージと、高いクオリティで再現した復刻堂シリーズが2004年の発売以来飲料市場で一定の地位を確立している。例えば、「仮面サイダー」や「大果汁バトル ウルトラウォーター」など、親子で楽しめる人気商品も提供してきたが、2011年秋冬シーズンは、世代を超えて愛される味わいと、昭和のレトロな空気感を伝える懐かしいパッケージが印象的な、森永製菓とのコラボレート商品第3弾「復刻堂 森永ミルクココア」を再登場させている。

 素材のココアパウダーは、世界有数のココア原産地であるガーナ産ココアを、確かな品質と美味しさを守り続ける森永製菓の独自製法で仕上げたものを使用。濃厚なココア感とミルクのなめらかな味わいが楽しめ、懐かしさと安心感のある、”あのミルクココア”の味わいを再現している。パッケージは、レトロ感のある昭和33年頃に販売していた”森永ミルクココア”のパッケージをモチーフにデザイン。懐かしさの中に新鮮さもある、「復刻堂」ブランドの世界観を表現したデザインに仕上げている。昭和の空気感を知るだけではなく、現在も、美味しさの最前線で多くの人々に支持され続ける両社が協力することで、昔ながらの美味しさを現代風にアレンジし、次の世代へと引継いでいくのが狙いだ。

 また、伊藤園は、合わせみそ(白みそ、赤みそ)と天然のかつおだしを使用した、具材たっぷりの食事に合うみそ汁飲料「天然かつおだし みそ汁」、上品な甘みが特徴の北海道産”大納言小豆”を100%使用したおしるこ飲料「大納言しるこ」、北海道産の牛乳と粒コーンを使用した、なめらかでコクのあるコーンポタージュ「特濃コーンポタージュ」のフード系飲料3品を10月3日よりリニューアルして販売。寒い日の小腹が空いた時の軽食として、今年も注目を集めそうだ。

 一方、アサヒ飲料は、フランスの高級食材商「フォション」ブランドから、パティシエこだわりのレシピで仕立てた1リットルの大型商品「フォション アップルティー LL紙パック1Lプリズマ」、「フォション ストレートティー LL紙パック1Lプリズマ」の2品を発売している。さらに世界が認めるバンホーテンのココアを使用し、豊かなコクと香りをなめらかなミルクでひきたてた贅沢な味わいの「バンホーテン ミルクココア」も登場させるなど、高級志向層を狙った商品展開を見せている。

 例えばダイドードリンコはコーヒー飲料、伊藤園なら茶系飲料、アサヒ飲料は炭酸系飲料といったカテゴリーの中で、代表的なブランド商品は各社しっかりと確立し展開している。しかしサイドアイテムで様々な方向性を模索することで、飲料市場そのものの活性化をめざしているようだ。10月に入り秋本番を迎える中、まだまだ新たな商品登場の予感がする飲料業界から目が離せない。