石破茂総理は自衛隊隊員の充足率が9割にとどまっていることに「極めて深刻な課題」と危機感を示し「自衛官の確保は防衛省、自衛隊のみならず政府挙げて取り組まねばならない至上命題」と自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議で強調した。
同関係閣僚会議は10月9日に発足し、今回の会合で4回目。20日の会合では具体的な対応策が取りまとめられた。石破総理は「今後、中谷元防衛大臣始め各大臣のリーダーシップの下、盛り込まれた施策の実現に向けて基本方針の内容を来年度予算案に反映していただきたい」と指示。
また「法律・制度改正が必要なものについても速やかに検討し、可能なものは次期通常国会に提出するようお願いしたい」とした。
この日示された案のうち「処遇改善」では「空自を例に、来年度には航空管制業務を担う自衛官に支給する手当(1尉は月額約2万9000円)、対領空侵犯措置等に対処する航空機整備員に支給する手当 (日額1200円)及び主要な野外演習等に従事する隊員に支給する手当(日額1400円)を新設。航空機乗員に支給する航空手当(戦闘機パイロット1尉は月額2万9000円増の約26万5000円に)や災害派遣等手当(日額540円増の2160円)引き上げとともに陸海空自衛隊のサイバー専門の部隊等の隊員に特殊作戦手当等を新たに支給する(1尉月額約2万9000円)。
防衛省では潜水手当不正受給事案などを踏まえ「手当を不正受給できないようなシステム化や電子化を進めるほか、手当等に係る関連規則や事務手続の教育やコンプライアンス教育などの再発防止策を徹底し、手当等の適正な執行に努めていく」ことも決めている。(編集担当:森高龍二)