米国リチウムイオン電池用高純度炭酸リチウム製造事業に伊藤忠が参画

2011年09月29日 11:00

 伊藤忠商事は、2010年6月に出資した米国シンボル マテリアルズ社(以下「シンボル」)を通じ、リチウムイオン電池(以下「LiB」)用の高純度炭酸リチウム製造事業に参画する。

 高純度炭酸リチウムは、LiBの主要部材である電解液に使用される電解質(LiPF6)の原料となるもので、今後需要拡大が期待される電気自動車向けLiBをはじめ、定置用蓄電池や、クリーンエネルギー分野で使用されるもの。高純度炭酸リチウムを安定的に製造、供給出来るメーカーは世界でも限られており、中でもシンボルは、将来に渡り、一貫工程で原料から高純度炭酸リチウムを製造することが出来る世界で唯一のメーカーとなる。シンボルは今後のLiBの市場拡大を狙い、2012年末には現在の生産能力の4倍となる年産2,000トンまで引き上げる計画で、自社の競争力のある原料を活用することで、高純度炭酸リチウム市場におけるシェア拡大を図る。

 同社は2010年6月、シンボルの生産するリチウム化合物の販売につき、日中韓を含めたアジア向け総販売代理店権を獲得、2011年6月には独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による融資を受け、今後も高純度炭酸リチウムを含むリチウム化合物の製造及び日本を中心とした需要家向けに販売。シンボルは2011年10月より量産を開始し、年産約500トンの高純度炭酸リチウムを製造し、安定供給する計画だという。