2024年度、国内主要自動車企業2024年度の世界生産台数は前年度比4.8%減 3年ぶりのマイナス

2025年04月30日 06:26

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中国市場で出遅れた日系メーカーのEV戦略 たが、4月開催の上海モーターショーでは日系電動車が目白押し 写真は8世代目となるLEXUSグローバルサルーン「ES」、BEVとHEVを搭載し発表、巻き返しを図る

 国内主要自動車メーカー8社が公表した2024年度の世界生産台数は前年同期比4.8%減の2417万台余りとなり、3年ぶりのマイナスとなった。各社とも中国市場での販売に苦戦したことが響いた。

 また、主要8社が発表した2024年度の国内生産台数は、合計で前年同期比2.7%減の805万台だった。認証不正が響いたトヨタや、経営不振に見舞われた日産など7社がマイナスだった。一方、ダイハツは前年に認証不正で停止した生産の回復が進み増加に転じた。

 主なメーカーの業績と傾向は以下のとおり。

■トヨタ、世界販売4期ぶりにマイナス

 トヨタ自動車が発表した2024年度の世界販売台数(トヨタ、レクサス・ブランド合計)は、前年同期比99.7%の微減、1027万3719台で4期ぶりに減少した。

 国内では量産に必要な「型式指定」不正の影響があったが、北米を中心にハイブリッド車(HEV)が好調で全体では前年並みを確保した。グローバルでもHEV販売は好調で、431万7406台と前年を大きく超える前年同期比121.4%の延びを見せた。

 ただ、BEV(電気自動車)世界販売は14万4513台(前年比123.9%)と構成比(1.4%)は低い。世界生産も販売同様に微減し、967万9470台の前年同期比97.1%となった。

 ただ、4月に開幕した上海モーターショーで、写真の8世代目となるLEXUSのグローバルサルーン「ES」にBEVとHEVを搭載し発表、巻き返しを図る構えだ。

 BEVには航続距離685kmを謳う前輪駆動「ES350e」と、駆動方式に4輪駆動制御「DIRECT4」を設定した「ES500e」をラインアップ。HEVには新たに2リッター直4ハイブリッドを採用した「ES300h」と、刷新した2.5リッターの改良型HEVに加え、高出力を狙った「ES350h」を新設定。AWDも用意している。新型ES、日本での展開は白紙だ。

■日野自動車、過去最大2177億円の赤字

北米向けエンジンの認証不正で米国当局に支払う制裁金などが嵩んだトヨタグループの日野自動車は、2025年3月期の連結純損益が過去最大の2177億円の赤字となった。新年度は日野自動車にとって三菱ふそうとの合併問題など大きな課題が待ち受けている。

■世界生産 対前年88.5%のホンダ

 世界生産台数が大きくマイナスしたホンダ。2024年度世界生産は364.4万台強で対前年実績比88.5%となった。世界生産のうち295.1万台強が海外生産で構成比が8割強。その海外生産の落ち込みが前年同期比86.5%、約46万台のマイナスと大きい。なかでも中国の生産が対前年比65.7%、4期連続マイナスと苦戦した。

■日産、通期7599億円赤字は過去最悪

 経営再建中の日産自動車は、2月13日に発表した2024年度の通期連結業績見通しを今回、修正した。2024年度の世界販売は335万台となる見通しで、売上高は12兆6000億 円、営業利益は850億円となる見込みだという。これに伴い当期純損失(赤字)は7500億円~7000億円になると見込まれるとしている。この赤字額は過去最悪の数字だ。(編集担当:吉田恒)