ロシアの自動車販売台数は、金融危機後一時的に落ち込んだが、2016年には年間300万台を超え、世界第7位の自動車市場に成長する見通し。こうした成長市場を取り込もうと、ロシア北西部には外資系自動車メーカーや部品メーカーが多数進出しており、自動車産業の一大集積地のひとつとなっている。ロシア政府は国内自動車産業の更なる発展に向けて、近年急速に自動車部品・素材の現地調達化を推し進めており、今後大きな鋼材加工需要の伸びが見込まれている。
そうした中、三井物産は、ロシア大手の鉄鋼メーカーであるセヴェルスタール(以下、Severstal社)と、ロシア第2の都市であるサンクトペテルブルグ市近郊に、主として自動車向けの鋼材加工・販売会社を共同で設立することに合意し、本日契約を締結したという。
新会社の資本金は約9億7000万ルーブル(約25億円)で、2013年半ばの操業開始を目指し、年間加工能力17万トンの鋼材加工センターを開設。この契約により、三井物産は総合商社として初めてロシアで鋼材加工事業に参画することになる。
同社はこれまで世界各地の鋼材加工センター運営で培ってきた操業・営業ノウハウと、Severstal社の鋼材安定供給力及び技術力を融合することにより、ロシア自動車産業の更なる発展に貢献すると共に、ロシア市場における鋼材加工事業基盤の強化を目指す。