昨今、クラウドコンピューティングの進展に伴うデータセンターの大規模化により、サーバーの仮想化やストレージのネットワーク化(SAN)が進んでいる。これにより、ネットワーク構成の複雑化、保守運用管理者の作業の増大、コスト増大、などの課題が顕在化している。
これらを解決するため、サーバーをつなぐLANやストレージをつなぐSANの接続インターフェースを統合する「I/O統合」が推進。これにより、敷設ケーブルを削減し、ネットワーク機器の構成を簡単にすることで、機器コスト・運用コストを削減するとともに、消費電力を抑える取り組みが行われているという。
しかし、現在のI/O統合技術の一つであるFCoEのネットワークでは、専用のFCoEスイッチに負荷が集中するため、大規模なデータセンターへの適用が困難であった。また、イーサネット上で発生するデータのロスを防ぐために専用のスイッチが必要となり、従来のスイッチが使えないという課題もあった。
そのような中、NECは、高い拡張性を低コストで実現する、大規模データセンターで利用可能なサーバーとストレージのネットワーク統合技術を開発したという。
同技術は、FCoEネットワークにおけるデータ転送と管理制御を分離して処理するとともに、サーバーとネットワークの接続インターフェース部分にデータロスを防ぐ機能を搭載。これにより、データセンター事業者は、既存のスイッチなどを利用して、短期間・低コストにデータセンターのネットワークを構築することができる。